演奏家応援企画 第4弾 愛知のプロ・オーケストラ×宗次ホール《いきなり♪コンサート》
《緊急企画》『いきなり♪コンサート』Part 12 中部フィル*弦楽四重奏
2020年
8/17
(月)
14:00開演
13:30開場
- 出演者
- 森下由貴(ヴァイオリン)、片山瑠央(ヴァイオリン)、中山翔太(ヴィオラ)、原悠一(チェロ)
- 曲目
- メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 Op.13
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 Op.74 「ハープ」
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、3月からほぼ3ヶ月間、愛知県内に拠点を置く4つのオーケストラは、演奏の機会を失っています。経済的なことも重要な問題ですが、それと同時に音楽家にとって演奏する場が無いということの歯がゆさ、いたたまれなさは、想像するに余りあるものです。
一方、宗次ホールでは、3月以来100公演以上が中止に追い込まれながらも、6月よりやっと段階的にコンサートを再開し始めました。そこで、オーケストラの演奏活動再開が軌道に乗るまでの間、その楽員さんに“いきなり”出演していただいてはどうか、というのがこの企画の発端です。
タイトルの通り、公演実施発表から1ヶ月足らずの超短期間で“いきなり”開催。チラシも無ければチケットも無し。上演1時間休憩なし。お申し込みは基本的にメールフォームで、というシンプルで“いきなり”かつ“粋な”コンサートを目指します。
◆料金 2,000円
公演当日、入場時に現金または宗次ホールコンサートクーポンで支払い。
(出来るだけお釣りの出ないようご用意ください。)
◆上演時間 約60分(休憩はありません)
◆ご来場のお客様へのアンケート
コンサートはいかがでしたか? 是非アンケートにご協力下さい
▶▶▶アンケートはこちらから◀◀◀
(質問・回答ページが開きます)
◆注意事項
○定員 約150名(感染の状況によって、定員が増減する場合があります。)
○自由席(分散して着席するため、使用できないお席がございます。)
○お客様のご来場状況によっては混雑緩和のため開場時間を早めることがあります。
○お客様から申込時に頂いた個人情報は、万一当館が感染経路となった疑いが持たれた場合
保健所等関係各所に開示される場合がございます。ご了承ください。
○館内ではマスクを正しく着用して頂き、適宜 手洗い・消毒の励行をお願いいたします。
○お申し込みを多数いただいた場合・・・
―定員に達しましたら以降お申し込み受付を終了いたします。
―当日券のご用意は確約できません。事前予約にご協力よろしくお願いいたします。
主催:宗次ホール
企画協力:中部フィルハーモニー交響楽団
8月1日(土)10:00より、専用メールフォームで受付開始。 ※同日同時刻より宗次ホールチケットセンターへの電話・FAX・窓口来店でご予約承ります。
『いきなり♪コンサート』7~8月の他公演の予定
Part 5 7月3日(金)中部フィル:ピアノ三重奏
Part 6 7月13日(月)セントラル愛知:弦楽三重奏
Part 7 7月16日(木)名フィル:弦楽四重奏
Part 8 7月19日(日)名フィル:ピアノ三重奏
Part 9 7月31日(金)名フィル:弦楽四重奏
Part 10 8月1日(土)中部フィル:クラリネット&弦楽四重奏
Part 11 8月11日(火)セントラル愛知:ファゴット&弦楽四重奏
Part 13 8月23日(日)愛知室内:ヴァイオリン四重奏
Part 14 8月30日(日)名フィル:弦楽四重奏
Part 12 出演者からのメッセージ
3月、次々と多方面にわたる公演が延期や中止になるのを目の当たりにしました。それは自分の今までやってきたことを否定された気がして、毎日をやり切れない思いで過ごしていました。『音楽は必要ない』そんな耳を塞ぎたくなるような言葉を目にしたこともありました。確かに音楽がなくても人間は生きることは出来るでしょう。しかし、音楽は僕達の心に感動を与え、人生を明るく豊かにし、時には生きる希望さえも与えてくれるかけがえのないものだと思うのです。恐らく当面の間はコロナウイルスに気をつけながらの公演になると考えられます。けれど、再びこうして演奏者と聴きに来てくださる皆様の、音楽を慈しむ者同士で同じ時間を共有できることを大変嬉しく思います。
心待ちにしていた演奏会、喜びを噛みしめながら、感謝の気持ちと共に演奏します。
原 悠一
プログラムについて
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 作品13
Felix Mendelssohn-Barthordy (1809-1847): String Quartet No.2 in A minor, Op.13
Ⅰ. アダージョ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ
Ⅱ. アダージョ・ノン・レント
Ⅲ. 間奏曲:アレグレット・コン・モート (アタッカ)
Ⅳ. プレスト
1827年、偉大な音楽家のひとりであるベートーヴェンが亡くなった年に、この作品は完成しました。メンデルスゾーン18歳のときです。当時からメンデルスゾーンはベートーヴェンの弦楽四重奏曲を分析し、多くの要素を取り入れていたと言われています。この作品も、その堅固な作りからベートーヴェンらしさを感じることができます。しかしそのうえで、ロマン派らしい甘美な旋律が美しく響き、まさに「古典派とロマン派の橋渡しをする」と言われる魅力に溢れた作品となりました。
ところで、メンデルスゾーンは作曲家としてだけでなく演奏家としてもすぐれていましたし、この作品が完成した数年後からは指揮者としての活動もスタートさせます。その際にも彼は、自分の作品だけでなくドイツの作曲家たち、とりわけベートーヴェンの作品を積極的にとりあげていたと言われています。ベートーヴェンの価値をさらに広めたことも、彼の功績のひとつと言えるのではないでしょうか。
第1楽章 Adagio - Allegro vivace
穏やかでロマンチックな序奏で幕が開きますが、一変、悲劇的な旋律が情熱的に鳴り響きます。
第2楽章 Adagio non lento
第1楽章の悲劇から一転、夢を見ているかのよう暖かな音楽が始まります。
第3楽章 Intermezzo Allegretto con moto - Allegro di molto
憂いを帯びた旋律が美しく響きます。
第4楽章 Presto - Adagio non lento
力強く音楽は始まり、合間には、これまで出てきた旋律が回想されるように奏でられます。最後は第1楽章の序奏が暖かく響き幕を閉じます。
(文:森下由貴)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 作品74 「ハープ」
Ludwig van Beethoven (1770-1827): String Quartet No.10 in E flat major, Op.74 “Harp”
Ⅰ. ポコ・アダージョ~アレグロ
Ⅱ. アダージョ・マ・ノン・トロッポ
Ⅲ. プレスト
Ⅳ. アレグレット・コン・ヴァリアジオーニ
1809年、ベートーヴェンによって作曲された弦楽四重奏曲。第1楽章の随所に登場するピッツィカートの伴奏音型がハープを連想させることから『ハープ』という愛称をもちます。この曲は3年前に書かれた中期の大作、ラズモフスキー・セット(弦楽四重奏曲第7、8、9番)に比べて作品の規模は小さく、ロマン的な情緒やのびのびとした感情をたたえる作風が特徴的です。人間の深くあたたかい感情に寄り添う、ベートーヴェンの一味違ったロマンをお楽しみください。
第1楽章 Poco Adagio-Allegro
気まぐれな序奏に始まり、タイトルの由来通りピッツィカートの活躍が印象的な楽章。
第2楽章 Adagio ma non troppo
優美なやさしさや厳かな祈りのようなものをうたう美しい旋律群が、豊かな和声や装飾に彩られている。
第3楽章 Presto-Piu presto quasi prestissimo
スケルツォ。頻繁に登場する「運命の動機」のようなものに支配され、緊迫感のある楽章。
第4楽章 Allegro con Variazioni
主題と六つの変奏曲。高揚感よりも落ち着きを感じさせるようなフィナーレ。
(文:片山瑠央)
出演者プロフィール
森下由貴(ヴァイオリン)Yuki Morishita
神奈川県鎌倉市出身。東京音楽大学を卒業後、洗足学園音楽大学大学院を修了。東京音楽大学奨学生としてMozarteum Internationale Sommer Akademieに参加。鎌倉市学生音楽コンクール、ブルクハルト国際音楽コンクール等で入賞。これまでに繁枡百合子、沼田園子、瀬戸瑶子、安永徹の各氏に師事。現在、中部フィルハーモニー交響楽団ヴァイオリン奏者。
片山瑠央(ヴァイオリン)Luna Katayama
東京都出身。10歳よりヴァイオリンを始める。これまでにヴァイオリンを小池めぐみ、清水高師、荒井英治の各氏に師事。2010〜2012年、飛騨高山音楽祭受講生。2017年に東京音楽大学器楽科ヴァイオリン専攻を卒業。都内を中心に、ソロや室内楽の演奏活動を精力的に行なっている。現在、中部フィルハーモニー交響楽団ヴァイオリン奏者。
中山翔太(ヴィオラ)Shota Nakayama
山梨県出身。東京音楽大学ヴァイオリン専攻を経て東京音楽大学大学院科目等履修ヴァイオリン専攻を修了。修了後ヴィオラに転向。在学中、東京音楽大学シンフォニーオーケストラヨーロッパ演奏旅行、音楽大学フェスティバル8大学オーケストラ、学内オーディション合格者による定期演奏会参加。第16回大阪国際コンクール アンサンブル部門入選、第9回横浜国際コンクール アンサンブル部門入選。2016年北九州国際音楽祭参加。これまでにヴァイオリンを野口麻紀、永峰高志、横山俊朗、舘市正克の各氏に、ヴィオラを中村翔太郎氏に、室内楽を横山俊朗、木野雅之、齋藤真知亜、飛澤浩人の各氏に師事。中部フィルハーモニー交響楽団ヴィオラ奏者。
原 悠一(チェロ)Yuichi Hara
札幌市出身。武蔵野音楽大学卒業、東京芸術大学別科修了。第10回横浜国際音楽コンクール弦楽器部門一般の部第1位。第21回日本クラシック音楽コンクール全国大会弦楽器部門第3位(最高位)。第6回蓼科音楽コンクールin東京室内楽部門第3位(1位なし)。アフィニス夏の音楽祭2017広島、2018山形に参加。チェロを文屋治実、花崎薫、田中雅弘、西谷牧人、メズー・ラースロー各氏に師事。室内楽を田中雅弘、市坪俊彦、ペーター・コムローシュ各氏に師事。現在、室内楽やオーケストラを中心に活動している。中部フィルハーモニー交響楽団団員。