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またお会いしましょう!



 
 ここしばらく、専ら「宗次ホール企画制作部Twitterの中の人」がメインになってしまって、ブログから遠ざかっていましたが、久しぶりの投稿・・・そしてこれが最後の投稿となります。2007年の6月以来14年半に渡ってこのホールに勤務してまいりました私 西野は、本日を持ちまして宗次ホールを離れることになりました。とはいえ正確に言えばあと数日、私物の引き上げや片付けで出てくることにはなりますが、今日の広瀬悦子さんのリサイタルで私の担当公演は終了しましたので、一応これが仕事納めということになります。

 上の写真は2009年の中日新聞の記事の切り取りです。昔の写真というのは意外と少なくて、ざっと私のパソコンの中を漁ったらこのスクラップ記事が一番古いもののようでした。オープンから2周年の節目に、ホールの動向についてまとめていただいたものです。何が書いてあるのかと目を通してみると「公演一ヶ月前でも主催を引き受ける即応体制で、ギャラを値切っていいく。」「スタッフは目まぐるしく入れ替わった。現在のスタッフ8人は素人集団。素人だからこその発想で・・・」とあり、この部分は今でもあまり変わっていないような気がしないでもありません。

 ともあれ、10年以上を経て、多くの演奏家が「宗次で弾きたい」と名指ししてくださったり、逆にお客様が「宗次で聴きたい」と思ってチケットを買ってくださったりする、そういうホールになったということは、この新聞記事の時点では考えられないことです。いや、そうしたいという発想も無かった。とにかく毎日が必死でしたから。今、様々な意味で宗次ホールは成熟しました。もちろん昨年来のコロナ禍でまた別の意味で必死な状況ではありますが、これまでにやってきた様々な蓄積が力となって宗次ホールを前進させてくれることでしょう。

 私個人は、もう一度あの当時の必死さを思い出しつつ、来年から次のステージへと乗り移ります。これまでと同じく音楽に関わりつつも、もう少し広い視野が必要な場所へ。齢厄年にして新たな場を得て、まだ知らぬことを勉強できる喜びを感じています。

 私が離れても、宗次ホールは何事もなかったかのように続いていきます。どうぞこれからも足をお運びください。手前味噌ながら、これほどの音響を持ったホールは他にありません。それは多くの演奏家の意見に私も同意します。リハーサルで立ち位置を10cmほど変えるだけでも客席に届く響きが違ってしまうほど敏感で繊細なホールで、結局私も未だその使いこなしの全てを手中にできていません(もっと研究したかったな!)。今後は、皆様に混じって客席に座っているかもしれません。多分2階席の端の方で。

 これまでたくさんチケットを買ってくださったり、私の拙い講座に足を運んでいただいたりした皆さま、どうもありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。そしてよいお年をお迎えくださいますよう。

宗次ホール 西野裕之


 


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