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「2021年のアニバーサリー作曲家」といえば




 
 皆様あけましておめでとうございます。「おめでとう」という言葉が現実の社会情勢を前にするとどうもしっくりこない年明けですが、とにもかくにも健康体で新たな年を迎えられたことに、ありがたみを一入感じる新年です。皆様お健やかにお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日から宗次ホールは仕事始め。正確には明日のランチタイム名曲コンサートが2021年の初公演で、これに合わせてチケットセンターが営業開始。その後、同日15時からは毎年恒例の田中正也さんと佐藤卓史さんの「ウルトラ・ピアノデュオ」ニュー・イヤー・コンサートが続きます。

 本日は休館日となっていますが、舞台は公演準備のために1日早く動き始めております。明日のコンサートのためのピアノ調律が午前中から、そして、この後は田中さん、佐藤さんの前日リハーサルという流れです。かつて、年末年始の休館の間に温水発生装置が凍結し、ホールの暖房・給湯系統がオール・ロスという悲劇に見舞われたこともありまして、前日にインフラ系(電気・ガス・水道・通信設備・・・)などが正常に作動するかどうかチェックしておくことも本日の大きな仕事の一つです。幸い特に何も不具合はなかったので、ほっとひと息、年末に出演者様から頂いたお菓子をいただいているところです。

 さて、新年の音楽ネタといえば、ニュー・イヤー・コンサートのほか、「今年が記念年の作曲家は?」というのもありますよね。昨年は何といってもベートーヴェンでしたが、コロナの影響でなかなか思うように演奏会ができなかったため、2021年も引き続きベートーヴェンは出張ってくるようだという話もあります。れっきとした切りのいい数の作曲家では、サン=サーンス(没後100年)ストラヴィンスキー(没後50年)あたりがメジャーでしょうか。吹奏楽界隈ではアルフレッド・リードが生誕100年。しかしおそらく一般的な人気を博しているという意味では、生誕100年のアストロ・ピアソラが一番かもしれません。《タンゴの革命児》たるピアソラをクラシック音楽の作曲家とするのはちょっと違う気はするのですが、しかし宗次ホールのランチタイム名曲コンサートでのお客様の反応を眺めていますと、いまやサン=サーンスの「白鳥」並みに、「リベルタンゴ」もクラシックの名曲として認知されているように感じます。

 かくいう私もベタながら高校生の時にヨーヨー・マの「リベルタンゴ」で、ピアソラの音楽に興味を持ち、続いて聴いた「タンゴ・ゼロ・アワー」に完全にノックアウトされたという流れ。ただし、その後は「ゼロ・アワー」と同時期1987年のライヴ盤「セントラル・パーク・コンサート」の方が愛聴盤になり、毎度トラック5に収録された「ピアソラの肉声スピーチ」までちゃんと飛ばさずに聴くのがお約束でした。筋金入りのピアソラのファンには怒られるかもしれませんが、私にとっては「ピアソラならまずこれを聴いてみたら」と勧めたい1枚です。

 というわけで、ピアソラ・イヤーを記念して、やはり「リベルタンゴ」をご紹介しましょう。1月24日に出演していただくヴァイオリニスト 礒絵里子 さんと、ピアニスト 田村緑 さんのヴィヴィッドな演奏でどうぞ。
(にしの)
【コンサート情報はこちら(ご予約も可能)】 礒絵里子&田村緑 デュオ・リサイタル





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