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今年もありがとうございました(でも仕事は続くよ)



 昨日の藤原真理さんのチェロリサイタルをもちまして、宗次ホール2020年のコンサートは全て終了いたしました。約150公演が中止になり、約40公演が『いきなりコンサート』や『気まぐれコンサート』のように急遽決定し、なんだかんだで今年の総公演本数は222公演でした。

 思えば4月、5月、完全にコンサートが開催できなかった2ヶ月間を経て、6月3日に再開した時、そのチューニングの音だけで涙が出たというお客様はひとりやふたりではありませんでした。かく言う私も、その日の公演の事前リハーサルの時、ホールに久々に響いたピアノ、ヴァイオリン、チェロ、フルートの音色に、ホールがモノクロの景色からカラーになっていくような感覚を覚え、鳥肌が立ったことをよくよく覚えています。

 こんな時期にコンサートをやるべきではない、という意見が演奏者やスタッフの中から上がることもありました。演奏者やホールは、大抵の場合、決められたコンサートは予定通り開催するために最後まで調整に尽力するというのがある意味「常識」と思っていた私には、発想の大転換でした。それ以外にも感染対策を巡っての果てしない議論は、ときに、もうこれは答えが見つからないのではないかと途方もない気分になることもありましたが、そんな時に常に支えとなったのは、コンサートを待ち望むお客様の存在、これに尽きます。客席定員を大幅に減らしながらも、100%満席時にも勝るとも劣らぬ力強い拍手の響きに、演奏者もスタッフもどれだけ力をいただいたことでしょうか。

 予断を許さぬ状況が今もなお続いています。とても音楽を楽しむような余裕のない人々が多数いること、またそういう方々の多くが、私たちの日常生活をを支えていることも心に留めて、新たな年も進んで参りたいと思います。

 一応これで仕事納め、ではありますが、いろいろとまだ宿題は山積み。来年も1月3日からの営業、舞台スタッフは公演準備のため2日からスタートです。来年もどうぞ叱咤激励ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します!
(にしの)


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