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交響曲 ベストナイン



 このところtwitterを眺めていましたら、「年末=1年の総まとめ」という時期的なこともあるのか、クラシック音楽に関連した話題も、「今年のベスト○○○」のような話題、またそれに類するランキング・ネタなどがあれこれ様々なタグ付けとともに流れているようです。

 そんな中で目に留まったのは #作曲家が被らないように好きな交響曲1〜9を選ぶ というもの。



 
 この手のお題は定期的にSNS上で盛り上がっているのですが、この年末もいろいろな方が挙げていました。面白いのは「作曲家が被らないように」というところ。さらに、この1から9番というのも交響曲を考える上で絶妙ですね。

 私事ながら、私が最初に手にしたクラシックのガイド本は、父の書棚にあった諸井誠 著『交響曲名曲名盤100』で(これはまだレコード時代に出版されたもので、すでに私が手に取った時には推薦されていた演奏が廃盤になっていることも多かったなぁ…)、その《第九》と《新世界》の項目は、野球のチームに見立てて、「どの演奏に4番を任せるか」「先発ピッチャーはどの盤で行こうか」・・・などとベストナインを組む仕立てになっていたのを思い出しました。(今でもこの本あるのかな。)

 さて、話を戻しまして、例えばどんな回答例があるだろうかと眺めてみますと、今年海外から来日できない指揮者の代役などで本当に大活躍だったお二人の指揮者、原田慶太楼さんと鈴木優人さんの場合は・・・




 
 原田さんが第3番に吉松隆さんを選んでいるところがなかなか興味深いですね。そしてお二人ともプロコフィエフとラフマニノフが1番、2番に! 鈴木さんのシューベルトの番号が統一されていないところを逆手にとったファジーな選択も心憎い!

 ほかにも、宗次ホールにもよくご出演いただいているテノールの大久保亮さんは・・・



 
 交響曲第2番にちょっと珍しいメンデルスゾーン(合唱つきなのです)を選ぶあたりに、歌手らしさを感じますね。なお、「8番、9番はこうでなくては!」とのこと。

 さて、このお題、当館ではレクチャーコンサートの進行役、または音楽講座の講師として絶大な人気を誇る、人呼んで『クラシック音楽の伝道師』(実際は、勝手に私がそう名付けて定着させている)アリアCD店主 松本大輔さんにもやっていただきました。そしたらこんな返答が。

 ブラームス : 交響曲 第1番 ハ短調 Op.68
 マーラー : 交響曲 第2番 ハ短調 「復活」
 サン=サーンス : 交響曲 第3番 ハ短調  Op.78「オルガン付き」
 メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調 Op.90「イタリア」
 ベートーヴェン : 交響曲 第5番 ハ短調  Op.67「運命」
 チャイコフスキー : 交響曲 第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」
 シューベルト:交響曲 第7(8)番 ロ短調 D759「未完成」
 ブルックナー : 交響曲 第8番 ハ短調 WAB108
 ドヴォルザーク : 交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」


 マニアックな曲を入れたい、とか、自分が個人的に好きなものを入れないと、とか
 いろいろ考えれば考えるほど、最大公約数的、普遍的なものを選ぶ結果に…。
 「まつもとだいすけのくせに案外普通じゃん」と言われそうな!!
 ああ!!!!なんと狂おしい設問!!!!


 ・・・と。こうして他の方の回答を眺めていると、その人の苦悶のあとやら趣味趣向やらが透けて見えてとても楽しいですね。ちなみに、私はこう。これも色々悩んだ末。

 1 マルティヌー ←ここは外せない
 2 ボロディン 
 3 チャイコフスキー 
 4 ブラームス
 5 シベリウス
 6 ドヴォルザーク
 7 シューベルト(未完成)
 8 ベートーヴェン ←正直どうしても8番でなくてはというわけではないけれど・・・。
 9 ブルックナー

 室内楽ホールに勤務する身としては、もしこれの弦楽四重奏版があったら、皆さんがどう回答されるか、伺ってみたいところです。さすがにカルテットの場合は番号で縛るのは無茶だと思われますが、少なくとも作曲者被らず9曲選ぶ。まさに究極の選択(チーン)、よろしければ是非!
(にしの)


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