オトナが楽器をはじめてみる理由
コロナの影響で自宅滞在の時間が増え、楽器を始める方が増えているというニュースを目にします。
しかし、『いいなぁ、演奏してみたいなぁ』という気持ちはあっても、大人になってから新しいことを始めるって、なかなかの勇気が必要ですよね!!(わかります。)
「Strings Magazine」に、ミランダ・ウィルソンさんというチェリストによる【楽器演奏を始めるのに、遅すぎるなんてことは絶対にない~大人の初心者のための5つの秘訣~】という興味深い記事がありましたので、ご紹介したいと思います!
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チェロを持って歩いていると、「私もチェロを弾いてみたいのよねぇ!」と声をかけられることが多いというウィルソンさん。「どうして、弾かないの?」と問うと、返ってくる答えは大体以下の通り。
「時間がなくてねぇ」
「もう、この年だからさ」
「耳が良くないもので」
「お金がないのよ」
・・・それらの<言い訳>の裏には、別の理由があるのかもしれません。。
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思い切ってやってみるべし!
「今始めたところで大して上手になるはずもないのに、どうして時間とお金の無駄遣いをするの?って周りにバカにされると思ったの。」「まるっきりの初心者だから、恥ずかしくて。」(30代・女性)
演奏を始めてみるまではこんな風に思っていた女性。でもそんな不安も、いざチェロを始めてみると吹き飛びます。
「始めてからは、チェロの虜になったのよ!その音色、エレガントな見た目・・・音を奏でるとその振動は私の身体全体に響いて、魂まで揺さぶられるようよ。」
とある男性は、「大きくなったらチェロをはじめたい」という幼少期からの夢を、リタイア後68歳で遂に実現!「大人になってからの方が、自分が優先したいことに時間を割くことができるよ」と言います。
良い先生を見つけよう!
学校に音楽の授業があったり、周りから「練習しなさい」と管理してもらえる子供と違い、練習のルーティンなどシステマチックにガイドしてくれる先生は、大人にとって重要です。
(まとまった時間を割くことが難しくても、【ちょことずつ、でも頻繁に。】がコツです。)
楽器を演奏するための身体の使い方については、やはり子供の方が習得が早いものです。大人の場合は長年の間に身についてしまった<良くない姿勢>や<身体の使い方の癖>、また怪我の経験等があるからです。
しかし、大人も負けてはいません!論理的に処理する能力が高いので、読譜については子供より断然早く習得できると言います。
それから「忍耐」。上手く出来なくても諦めず、辛抱強く取り組むことは大人の方が得意ですよね!
そして何よりも、『楽器を弾きたい!』という自発的なモチベーションとパッションがあることが、一番の武器なのです。
自分の能力を活かす!
身体能力では子供に勝てなくても、大人が負けないこと・・・それは人生経験、そして就労等で得たプロフェッショナルな技術です。
「チェロレッスンの度に、『どうやって』弾くかだけではなく、『なぜ』それがうまくいくかを論理的に追及しています」(元エンジニア )
「音楽を学ぶことは、大人になって語学を習得するのと似ています。子供の方がソルフェージュ(楽譜を読むための基礎訓練)の習得は早いけれど、大人の方が粘り強いからね!」(スペイン語講師 39歳)
「子供の頃勉強時間をきっちり管理したのと同じように、練習時間、集中力、振り返り学習など目的をもって、効率的な練習方法を計画しています。」(教師)
「一つ一つの動作を細かく考えるのがすごく好きなんです。どのように弓を構えるか、どうやってベストな指使いを見つけだすか、とかね。」(雑誌編集者)
年齢・バックグラウンドが異なる大人達が楽器演奏をはじめた、たった一つの共通点。
それは「音楽が好き!!」ということ。
最後に、思い切って楽器をはじめてみたオトナたちからのメッセージはこちら。
「今を楽しんで、始めてみて!これからプロの演奏家になることは難しいけれど、過去を振り返る必要はないの。美しい音楽を奏でて周りと共有することは絶対に可能なんだから、忍耐強くね。そして小さな前進でも自分を誉めてあげること。」
「チェロを始めた日。あの日から私の人生は想像もしない変化を遂げたわ。色々な意味で、初めてのチェロレッスンは私にとって、もはや自分の誕生日よりも大切な生まれ変わりの日よ!」
在宅時間の長いこの機に、興味があった楽器を手にとってみてはいかがでしょうか?
コンサートの楽しみ方も、一味違ってくるかもしれません ♪