みんなと耳の日 プレ・コンサート

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「正しく知る」ことの大切さを痛感 ──

　舞台やコンサートを楽しみたい ！ と思っている聴覚障害のある方は沢山いらっしゃる。けれども、チケットを買ってコンサートに参加しても、聞こえにくいため十分に楽しめず、ただそれは仕方無いことだから…と “諦めて” 鑑賞されている。

　この現状を知った時、音楽に携わっている者として大変なショックを受けましたし、「聴覚障害のある方は音楽を聴かない」と勝手な思い込みをしていた自分にガッカリしました。それが５年前のこと。
　これらのことが聴覚障害の症状について勉強するきっかけとなり、2021年5月の宗次ホールランチタイムコンサートに出演が決まった折に「鑑賞サポート※」を付けて開催したいと、企画担当の方にご相談いたしました。（※主に難聴・中途失聴の方々対象のものです）聞こえに障害のある人と無い人が一緒に楽しめるコンサートにする…つまり、楽しめない原因を取り除く＝「客席内の障害を取り除く」ことです。
　この “障害の無いコンサート” を、宗次ホールの皆様、名身連聴覚言語障害者情報文化センターの方と共に実現できましたこと、そして当事者の皆様も会場の皆様も一緒にご参加いただきましたことに、改めて感謝申し上げます。
　さて、みんなと音楽を楽しむ方法とは・・・？　３月３日の耳の日にお届けする新企画『みみコン』で、古きよき日本の歌と“ 聞く” についてのアレコレも一緒に、楽しく（？）お喋りしながらお送りいたします。
　～音楽は人と人とをつなぐ～もの。これらの情報を音楽を通じて、会場の皆様と共有できることを楽しみにしております。開催に向け、再びご快諾いただきました宗次ホールの皆様に、心より御礼申し上げます。
2021年 晩秋　加藤恵利子

ピアニスト：藤田 典人（ふじた のりひと）
　三重県桑名市出身、東員町在住。幼少期、高熱による中耳炎治療のための薬の副作用で神経性(感音性)難聴となり、両耳に補聴器をつけ始める。9歳頃からピアノを始め、33歳でのソロリサイタルで演奏家デビュー。第1回ピアノパラリンピック in JAPANにて審査員を務める傍ら、芸術賞を受賞。平成25年度三重県健康福祉関係功労者 三重県知事賞を受賞。三重県難聴・中途失聴者協会会員。

ピアニスト：原田 綾子（はらだ あやこ）
　名古屋市立菊里高校音楽科を経て、愛知県立芸術大学を卒業。同大学院修了後、ハンガリー国立リスト音楽院にて研鑽を積む。第18回ヴァレンティノ国際音楽コンクール第１位及びヴァレンティノ大賞受賞。帰国後、NHK-FM「名曲リサイタル」出演。名古屋市民芸術祭2008審査員特別賞、第5回名古屋音楽ペンクラブ賞を受賞。現在、名古屋音楽大学及び同朋高等学校音楽科非常勤講師。