1. トップ
  2. 宗次ホール オフィシャルブログ
  3. 終了公演レポート
  4. 2020.2.8 ミシェル・ダ...

2020.2.8 ミシェル・ダルベルト ピアノリサイタル



今年65歳になるフランスの巨匠、ミシェル・ダルベルトさんのリサイタル。宗次ホールには初来演です。もともとシューベルト弾きとして注目を集めたということもあって、「フランスのピアニストだからフランスものがいい」ということだけでなく、この日のプログラムに並んだベートーヴェンやシューマンも揺るぎない確信に満ちた風格漂う演奏でした。1曲目のベートーヴェンの『悲愴ソナタ』が終わったところで、ご本人から「休憩の位置を後にずらし、前半にシューマンの『アラベスク』『花の歌』『子供の情景』そしてドビュッシーの前奏曲集からの6曲を一気に演奏。後半はベートーヴェンの『熱情ソナタ』1曲とします」とのアナウンスあり。前半が約80分という異例の長丁場となりましたが、舞台から放たれる「これが同じピアノか?」と信じられないほどの多彩な音色とスピード感、次に何が起こるかわからない思い切った表現の連続に、聴衆の耳は釘付け。後半の『熱情ソナタ』も、芳醇なのにスッキリサッパリとしていて細部がすべてクリアに聞こえる、という驚異的な演奏。フィナーレあと数秒を残して高音域の弦が断線してしまうハプニングも有りましたが、ドビュッシーの『月の光』をアンコールに演奏。サイン会は立ったまま、本番中の険しい表情も緩んでにこやかに対応されていました。とにかくダンディなマエストロ。更にこれから数年で巨匠味を増していく予感。次の来日も要注目ですよ!



関連記事