2019.11.16 ゲイリー・カー コントラバスリサイタル
「本当に来るのか!?」とコントラバス業界がざわついた、ベースの神様ゲイリー・カーさんの登場。舞台に登場するなり、1音もまだ鳴らしていないのに「ブラヴォー」が掛かりそうな高揚感で始まったリサイタル。お客様の熱気の中で、巨匠は慈しむように、また冗談を飛ばすように、小品を中心としたプログラムを進めていきます。コントラバスとは思えぬ軽やかさに驚き、コントラバスならではの重低音の心地よさに痺れる。実際は大変な技巧を凝らした難しい箇所であろう部分もそんなことは微塵も感じさせず、鮮やかな手さばきで笑顔を振りまきながら演奏。手元を見ている時間よりも客席を見ている時間のほうが長いんじゃないかというほど、お客さんの表情を観察していたのが印象的でありました。
長年デュオを組んでいるハーモン・ルイスさんのピアノととのコンビネーションがまた素敵。合わせようとしていないのに合ってくる。時々のアイコンタクトと笑顔。サイン会では長蛇の列。それでもひとりひとりのファンに丁寧な対応で皆さん大満足。11月20日に78歳の誕生日を迎えるカーさん。ますますお元気です。