1. トップ
  2. 宗次ホール オフィシャルブログ
  3. 旧ブログ
  4. 11月10日 ソレイユ...

11月10日 ソレイユ・ルヴァン ~太陽王の時代のフランスバロック音楽


11月10日の夜に行われた古楽グループ「ソレイユ・ルヴァン」の公演。
フランスで活躍するバロックオーボエの名手、植野真知子さんと
植野さんが「この人と共演したい!」と見込んで集めた
リコーダー&トラヴェルソのJ-A.ブレッシュさん、
ヴィオラ・ダ・ガンバの西谷尚己さん、そしてチェンバロの大塚直哉さんの4人のメンバーです。

今日のチェンバロは・・・

soleil03.jpg

割と大型のチェンバロで、
舞台袖の搬入用のエレベータに載らず、階段から人力で運び上げました。
ゴージャスなフレンチモデル。
しかし阪神淡路大震災のおり、ちょうどこの楽器は神戸の倉庫に保管されていて、
つぶれた瓦礫の中から助け出されたものだということです。
きちんと修理をして、今でも立派に全国のホールで活躍しています。

soleil09.jpg

鍵盤の下から覗いてみました。
不思議な造形!

soleil07.jpg

こちら、右の3本はリコーダー、そして一番左はピッコロですが、
昔はフルートもピッコロもトラヴェルソといいました。
まだ金属ではなくて、ちゃんと「木管」だったころの楽器です。
リコーダーともども、ごくわずかな「キー」(音孔をふさぐボタンのようなもの)しかありません。
現代の楽器は音程を良くし、操作性を向上させるために、
キーがびっしりとついていますが、昔はこの通りしんぷるなものです。
その分、奏者が音程をコントロールする難しさが伴いますが、
その苦労には変えられない、なんともいえない音色のよさがあるんだと・・・。

soleil11.jpg

こっちは上がバロックオーボエ。袋に半分入っているのが
トラヴェルソです。
柘植の木で出来ているそうです。やっぱりキーはとても少ない
シンプルなつくりです。

soleil10.jpg

キー部分を拡大。

soleil08.jpg

ヴィオラ・ダ・ガンバの頭の渦巻きの部分。
透かし彫りになってました。
昔の楽器はやはり造作がひとつひとつ違っていて
見ていても面白いです。

soleil04.jpg

リハーサル中。
温度湿度の変化に敏感な楽器たち。
この日も乾燥と加湿のバランスに苦労しました。

soleil02.jpg

本番です。1曲終えたところで植野さんのお話。
「今日はあえて曲目解説をつけていません。
 日本のお客様は
 知識が無いと楽しめないと思っていらっしゃる傾向がありますが、
 本日の演奏会は、先入観抜きにして、
 ただ音楽を聴いていただければそれでいいと思います。
 知らない作曲家の名前が並んでいますが、
 無名なものでもいいものはいいですよね」

soleil01.jpg

まさに癒しのナチュラルサウンド。
お客様からのアンケートでも、知らない曲ばかりだけれど
とても良かった、という声が多数寄せられました。

最後におまけとして、舞台袖に置かれた
演奏者用のお水。コップに皆さんの頭文字が並んでました。

soleil05.jpg


(スタッフ/にしの)


関連記事