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10月18日 ロハン・デ・サラム&児玉桃 デュオリサイタル


10月18日の公演レポートです。

チェリスト、ロハン・デ・サラムさんは
イギリスのシェフィールドでスリランカ人の両親の間に生まれ、
幼少期にはスリランカで育ったそうです。
ボストン交響楽団のメンバーだったというチェリストにその才能を認められて
11歳でイタリアに移り、20世紀伝説のチェリストの一人、ガスパール・カサドに師事。
さらにカサドの師匠、チェロの神様パブロ・カザルスにも直々に教えを受けた
まさに20世紀のチェロ界の生き字引のような存在。
少年時代はレッスンを受けるために師匠と一緒に世界中を回っていて
ほとんど学校には通ったことが無かった、とのこと。

30年に渡って現代音楽の最先端を走るアルディッティ四重奏団のメンバーとして活躍し
現在はソリストとしてまだまだ世界中を飛び回っていらっしゃいます。

児玉桃さんもまた13歳でパリ音楽院に入学していますので
やはり日本のような学校に通うという経験がなかったようです。
また、メシアンのアルバムで高い評価を集めるなど、
現代音楽に造詣が深いという部分でもデ・サラムさんと共通しています。
初共演だったそうですが、素晴らしい組み合わせだったと思います。

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サラムさんはエンドピンをほとんど最大限に伸ばして弾かれるので
通常の舞台用の椅子では対応できず、急遽宗次オーナーの自宅から
カウンターチェアーを借りてきました。この椅子、とっても気に入ったご様子。

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クセナキスの「コトス」の楽譜です。
とてもチェロの無伴奏曲とは思えないような譜面で、音符がぎっしり!

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現代の作品とロマンティックなシューマン、フォーレ、R.シュトラウスを合わせたプログラム。
現代の鋭く緊張感ある音響と対比されて、ロマンティックな作品がよりふくよかに感じられます。
チェロとピアノの対話の密度が濃く、まさにタイトルの通り「デュオリサイタル」となりました。

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大変紳士なデ・サラムさん。児玉さんの手を引いて
暖かい拍手に応えます。

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サイン会。アルディッティ四重奏団時代の音源も並びました。
有名なシュトックハウゼンの「ヘリコプター四重奏曲」のDVDもありましたよ。

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ホールへの記念色紙。

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最後の記念撮影。椅子も一緒に入ってます。

このデュオリサイタル。東京での公演はNHK-BSの「クラシック倶楽部」のための
収録が入りました。聴き逃した方は是非チェックしてみてください。


(スタッフ/にしの)


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