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10月20日 フレデリック・ハース 「ゴルトベルク変奏曲」


ベルギーのブリュッセル音楽院といえば
バロック音楽、古楽の分野で特に世界的に有名な教育機関。

そこで若くしてチェンバロ科の教授に就任したフレデリック・ハース氏が来演しました。
今年1月より開始されたシリーズ「バッハの海へ」の第7回。
そして、8月、9月と続いてきたゴルトベルク変奏曲を取り上げる演奏会の締めとなる演奏会です。

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本日のチェンバロは、6月にミドリ・ザイラーさん、そして夫君のクリスティアン・リーガーさんによる
バッハ「チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ」の演奏会で使用されたのと同じ
梅岡楽器さんからお借りした 
ヤン・カルスベック2000年作のジャーマン・モデル。
バッハが生きていた時代に使用された楽器のレプリカとのこと。

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鍵盤の端の金色のツマミは装飾ではなくて、この部分を引っ張り出したり
奥へ押し込んだりすることで、2段の鍵盤の連動をON、OFFするスイッチです。
これにより音色と音量が変わります。
物理的には強弱を付けられないチェンバロにとって
大変重要な意味を持ちます。特にゴルトベルク変奏曲には上下どちらの鍵盤で弾くのか、
あるいは連動させるのかどうか、についてもちゃんと指示があります。
ピアノでゴルトベルク変奏曲を演奏するのが難しい、といわれるのは、
こういった機能がピアノには無いからです。

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ホール壁面のブルーのライトは「海」のイメージです。

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リハーサルが始まりました。
ホールとチェンバロの響きがとても合っている!ととても気に入ったご様子。

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ハースさんはとてもフレンドリーな方で
リハーサルの合間はおしゃべりが尽きません。
(振り向きざまの方はマネージャーさん。)
日常的に英独仏など4ヶ国語を使い、他にもルーマニア語などちょっと分かるのが7ヶ国語。
(ルーマニアでマスタークラスを指導しているそうです。)
日本語も目下勉強中。「チョビッティッシモデス・・・」とのこと。

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このように気になる部分は自分で調律していらっしゃいました。
今回ハースさんが演奏するために、楽器屋さんも相当アクションの調整を入念に行ったんだそうです。
それでもやはりゴルトベルク変奏曲は全部で80分近く掛かるので
今日の楽器の状態だと調律が狂ってしまうかも・・・ということで
急遽途中に休憩を入れて半分ずつ演奏することになりました。

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指裁き、跳ね上げた手のしなやかな動きがとても上品なハースさん。

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長い旅路のような作品を演奏し終えて拍手に応えます。

アンコールは3曲。
バッハとともに得意のフランス・バロック作品から。

1)クープラン 第7組曲 より 「メヌトゥ嬢」
2)クープラン 第26組曲 より 「病み上がりの女」
3)ラモー 新クラヴサン組曲(第4組曲)より 「サラバンド」


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サイン会も行われました。

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お一人お一人に丁寧に応対するハースさん。

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ホールの記念色紙にも・・・

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自分の名前をカタカナで書きたいと・・・

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こうなりました。

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(スタッフ/にしの)


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