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9月23日 ハンガリーの名匠 デジュー・ラーンキさん 来演


9月23日には
アンドラーシュ・シフ、ゾルタン・コチシュとならび
かつてハンガリー三羽烏と呼ばれた、同世代のこの国の名ピアニスト
デジュー・ラーンキさんが来演しました。
若い頃に何度も日本に来日し、それこそアイドル並みの人気を誇ったラーンキさんですが
しばらく日本からは遠ざかっていました。
近年再び来日するようになり、
かつてヴィルトゥオーゾと呼ばれた卓抜したテクニックはそのままに
より深く耽美な音楽を聴かせるようになりました。
正に今脂の乗り切った旬のピアニストです。

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大変物静かな方という印象で、
声のボリュームも小さかったです。
握手しましたがとてもやわらかい、それほど大きくない手でした。
リハーサルではホールの響きを確認しながらタッチを微調整している、といった感じでした。

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ブレてますが、これは「イスの高さをもう少し上げられないか?」と調律師さんにお願いしたところ。
「ウーン。これ以上上がりませんね・・・」とお答えすると、
巨匠は眉毛をハの字にして黙って悲しげな表情を見せたのでした。
(このあと、要望どおりにさらに高く上がる椅子をご用意いたしましたよ。)

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ハイドンから始まり、ドビュッシー、シューマン・・・
ドビュッシーでは「子供の領分」、シューマンでは「子供のためのアルバム」からの抜粋という
それほど技巧的に難しくない(シューマンはピアノを始めて数年の子供さんでも弾けるような)曲が
プログラムに載りましたが、
この一見やさしい曲を、飛び切りの透き通った音で奏でてゆきます。

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最後にリストの大曲「ダンテを読んで」を鮮やかに演奏。
ラーンキさんはほとんど重心を変えずに静かに淡々と弾いているように見えますが、
出てくる音の無限の色彩とダイナミクスに圧倒されます。
これほどの難曲を音の濁り無く、スマートに弾いてしまうのには唖然。

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残念ながら日曜の夜ということもあってお客様は多く有りませんでしたが
昔からのファンの方を中心にサイン会に列が伸びました。

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最後に宗次オーナーと。



(スタッフ/にしの)


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