ヤマハピアノ保守点検(2)
(1)からの続きです。
さて鍵盤がなくなると、木枠と鍵盤を固定するピンだけが残ります。
真鍮のピンを磨き上げます。
外したハンマーの部分もしっかり掃除機でホコリを払います。
こうして縦にしているとピアノの一部に見えないですね・・・
さて、鍵盤を元に戻しましょう。
鍵盤に取り付けられたネジも磨き上げます。
ハンマーを鍵盤の上に載せてハンマーの位置をひとつひとつミクロン単位で調整しています。
これで点検も終わりです。
このヤマハのグランドピアノは早速
3月10日の「アルトゥール・ピサロ ピアノリサイタル」で使用されます。
もう一台の当館のピアノ、スタインウェイの方が確かに使われる頻度は高いのですが、
ピサロさんはヤマハピアノが大好きなんだそうで。
私もホールを借りたいという方に「どちらのピアノが良いですか」と
しばしば訊ねられるのですが、こればかりは良し悪しではなく「好み」の問題だと思います。
レクサスGSとメルセデスの違いとでも言いましょうか。
どちらも高級車であることには変わりはありませんから。
宗次ホールの2台のピアノについて
様々な奏者の方の意見と私の耳で聴いた感覚を総合すると、
ブリリアントで弾き手がコントロールしやすいヤマハ、
取り扱いは難しいが、奏者次第では実に多彩な陰影を出すことが出来るスタインウェイ、
と言えるのではないかと思います。
話がそれました。
とにかく3月10日は
ショパンの前奏曲24曲、そして練習曲24曲、計48曲を2時間で弾ききる
ピアノファンにはたまらないチャレンジングな演奏会です。
是非、調律師の技術力とともにお楽しみ下さい!!
(スタッフ/にしの)