リン・ハレル氏、辻本玲さん
先月、アメリカの巨匠チェリスト、リン・ハレル氏が亡くなったニュースを目にされた方も多くいらっしゃると思います。まだまだお若い、76歳でした。
こちらはハレルがアシュケナージ、パールマンと弾くベートーヴェン:ピアノトリオOp.70-2より。
「リンは180㎝以上の長身に110キロ、手はびっくりする程大きかった。チェリストというよりアメフトの選手といった外見だったよ。15歳で父を、17歳で母を失ったリンは、その頃から全ての時間をチェロに費やしたんだ。
昨日その訃報に接して以来、ずっとずっと心が重い。リンは私が人生でずっと追いかけてきた、数少ないチェリストの1人だった。」
---スティーブン・ホニグバーグ---
「なんて哀しい、ショッキングなニュースなんだ・・・リンとは47年間、共に尊敬しあってきた友人だった。
誰にも出せない音をもった、優しい巨人だった。この伝説的なチェリストの死が悔やまれてならない。」
---ミッシャ・マイスキー---
「リンが逝ってしまったなんて・・・。溌剌として、活き活きとした少年のような無邪気さ、彼は伝説そのものだった。彼以上の素晴らしい仲間はいない。」
---スティーヴン・イッサーリス---
他にも著名な音楽家、音楽ジャーナリストなどからもたくさんのメッセージが寄せられています。
さて、ここでリン・ハレル氏の師匠、オーランド・コール先生が、宗次ホールでもお馴染みのチェリスト、辻本玲さん(当時9歳!)にレッスンをされている時の超貴重動画をご紹介します。
曲は、ウィリアム・ヘンリー・スクワイア:ブーレ(辻本さんは、25:40あたりから。)
コール先生はピアノを弾きながらにこにこしていらっしゃいます。演奏が終わると立ち上がって、「ブラボー!踊りたくなるね。楽しかったよ。」と。
若い音楽家たちが早い段階から正しいボーイングを身に付けることの重要性について語っておられ、リンさんの名前もここで出てきます。コール先生は小さな音楽家たちへの教育の大切さを感じておられたことから、大学ではもちろん、子供のためのコースも教えていらっしゃったのですね。
最後玲さんに、「あなたは間違いなく、生涯を通して素晴らしいボーイングをしていくよ。将来、必ず上手になるよ。」とおっしゃっています。「Thank you very much!」という先生に、「You are welcome」嬉しそうにはにかむ玲少年が本当に可愛らしい動画です。
・・・今月5/30に予定しておりました辻本玲さんのチェロリサイタルは誠に残念ながら中止となってしまいましたが、来年仕切り直して開催する予定にしております。どうか、楽しみに待っていてくださいね!
こちらは、辻本玲さんよりご提供頂きました、リン・ハレルさんと辻本さんの貴重なツーショット写真です!
リン・ハレルさんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。