2020.1.24 佐藤俊介 鈴木秀美 スーアン・チャイ ピアノ・トリオの夕べ
気心知れた3人のトリオ。弦楽器はガット弦、チェロはエンドピンなし、そして19世紀の流儀をベースにしたヴィブラートを多用しない奏法で演奏されるベートーヴェンとブラームス。とにかく表情が濃やかで、この日使用された1916年製のベヒシュタイン・ピアノの温かな音色と相まって、ホールというよりは「部屋」のような親密な雰囲気。そして優しいだけでなく、ここぞというフォルテシモでは、それぞれの楽器が放つギシっとした歪みやノイズもまた音楽に凄みをもたせる隠し味になっています。アンコールではブラームスのピアノ三重奏曲第3番の3楽章を。