2020.1.9 石上真由子 ヴァイオリンコンサート
2015年の第5回宗次エンジェルヴァイオリンコンクールで第4位に入賞。その時以来久々にこの舞台に帰ってきた石上さん。医学部卒業後、いまは音楽の道一本に定めて、京都を中心にしたバラエティーに富んだ室内楽のシリーズをプロデュースしたり(ご自身でチラシの作成までされるとのこと!)、コロムビアレコードの新人クラシック演奏家のシリーズ「Opus One」からデビューアルバムをリリースしたりと、旺盛な活動を展開中です。この日はCDにも収録されているヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタや、得意の「ツィガーヌ」など、これまでの約10年間、力を入れて取り組んできた近代の民族色あふれる作品「だけ」をあつめたプログラム。バルトークの無伴奏ソナタで始めて、ヤナーチェク、シマノフスキ、ラヴェル・・・なんて、普通だったらひどく込み入った音の渦に沈没してしまいそうですが、石上さんの強靭なテクニックと彫り深い表情、音楽の巫女のように自分の言葉として音楽を伝えるその演奏姿に吸い寄せられて、あっという間に終わってしまった気分に。今回初共演というピアニスト佐野隆哉さんとの、硬軟織り交ぜた絶妙なやり取りも見事。それにしてもツィガーヌの冒頭のあの張り詰めた音といったら・・・客席にたしかに衝撃が走ったように感じました。