2019.12.26 6人の若獅子が集う 奇跡のチェロ・アンサンブル
よくぞこの6人が集まることができたな、と思うほど、日本の若手世代の実力派たちが一堂に会したこのコンサート。宗次ホールではおなじみの辻本玲さんをはじめ、イギリスと日本の両方で指揮者としても活動中の伊藤悠貴さん、演奏の他にも作編曲家としても活躍中の小林幸太郎さん、ミュンヘン国際コンクールで優勝した葵トリオのメンバー伊東裕さん、エリザベート王妃国際コンクール第2位受賞の岡本侑也さん、ルトスワフスキ国際コンクール第2位受賞の上野通明さん・・・とそれぞれが高い技術をもち、しかも個性豊かな6人。東京ですでに2回開催されたこの企画の名古屋初公演ということで、前評判高く満席御礼。前半はそれぞれのソロをチェロ四重奏が支える形で1曲ずつ演奏。後半はチェロ六重奏によるピアソラ作曲「ブエノスアイレスの四季」全曲。すべて小林幸太郎さんの編曲です。1曲ずつ、演奏者の受け持つパートがシャッフルされるため、曲の間はさながら「席替えタイム」。そのおかげもあって、6人のチェリストそれぞれの持つ音色の違いとブレンド感の両方を楽しめたのではないでしょうか。まさに6人の「若獅子」たちが、めったにないこの機会に音楽を楽しんでいる様子がありありと伝わり、客席にその楽しさが伝わる、2019年の宗次ホールのコンサート締めにふさわしいコンサートになりました。