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今聴いておくべき世界のトップアーティスト![ハーピスト編]


宗次ホールではオープン以来、吉野直子さんをはじめ、バロックハープの西山まりえさん
アイリッシュハープの奈加靖子さん。そしてランチタイム名曲コンサートでもたくさんの
ハーピスト達が出演されました。
その度毎に、優雅で美しい音色に魅了されたお客様もたくさんいらしたかと思います。

今回は、10月から年末にかけて開催予定の
ハープの演奏会を3つご紹介したいと思います。



まず1つは、今週10月15日(水)18:45開演
現在欧州で大ブレイク中の注目のハーピスト
Lavinia Meijer(ラヴィニア・マイヤー)さん

ラヴィニアマイヤー
当ホール企画担当者も
「間違いなく今聴いておくべき世界のトップアーティスト!」
と一押しの演奏者です。
音源はこちらより youtube

韓国生まれのオランダ人の彼女は、ある種特異な環境で育ちました。
この企画が決まり、告知用のチラシを作成する際何点かの写真の中から
今回のチラシに使用した写真を見た時に
その慈しむような表情や、ハープに向かう視線や姿勢から
何か満ち足りた空気感を感じ、ハープや音楽そして自分自身へも
たっぷりと愛情を感じている人なのでは、、、、。などと勝手な想像を
膨らませておりました。(あ、私チラシの制作を担当しております。)
それは、元々の彼女が持っていた素質なのか
生まれ育った環境がそうさせたのかはわかりませんが
「私の目標は、ハープをソロ楽器として広く知られるようにすること」
とかかげる演奏をとても楽しみにしています。
というとても個人的な意見になってしまいましたが、
息遣いまで聴こえる宗次ホールの300席の空間が、
ラヴィニアの気高く繊細な音色に包まれる…。この贅沢な機会をお見逃しなく。
来日公演は、福島、東京、名古屋の3カ所のみだそうですよ。

***ラヴィニア・マイヤー NHK-BS1「過ぎし日々への旋律」より***
ハープ界のミューズ、ラヴィニア・マイヤーは韓国生まれのオランダ人。
諸事情で1歳の時、実の兄とともに韓国からオランダに渡り養子となります。
日本では、国を越えた養子縁組というのは珍しいですが、韓国はキリスト教徒の割合が意外に高い国。したがって様々な事情から実の親が養育できなくなった子供がヨーロッパの国へ養子縁組として迎えられることが少なくないそうです。

愛情深い養父母の元で育てられたラヴィニアは、音楽の才能を開花させ、世界的ハープ奏者として活躍。そんなラヴィニアのもとに、韓国から演奏の誘いが舞い込みます。ニューイヤーコンサートでオーケストラと共演して欲しいというのです。

ほとんど記憶にもない実の親からの手紙を前年に受け取っていたラヴィニアは、初めて訪れた生まれ故郷の韓国で、迷いながらも実の父親と「一度だけ会う」ことを決意します。

コンサートが開演する前の楽屋で、オランダ人の夫の立会いの元、ラヴィニアは実の父親と対面します。ドアが開き、父親が入ってきます。優しい笑顔を見せるラヴィニア。韓国語の話せないラヴィニアと英語の話せない父親。2人は血縁でありながら言葉すらも通訳を介さなければならないのです。

「すまない、すまない」としきりに謝り号泣する父親にラヴィニアは通訳を通して声をかけます…。「優しい父母、すばらしい夫に恵まれて私は幸せ。謝ることはないわ」と。そして「これは私にとってもとても特別な瞬間…」とつぶやくのです。

楽屋から実の父親が去ると、ラヴィニアは肩に手をかける夫に「新しい世界だわ」と語ります。オランダの温かい家庭で幸せな暮らしを送りながらも、実の親から引き離された、という負い目は常に彼女につきまとっていたはずです。そんな彼女が自らの過去を整理し、一歩前に歩み出す瞬間…。

番組ではラヴィニアの心象が、印象的な映像と彼女自身が演奏するハープの音でつづられます。音楽がナレーション以上に心の内面を物語る…。彼女の哀しくも凛とした音色は、彼女の運命、そして葛藤とあいまって、深い感動を呼び起こしました。


そして、ご来場の皆様へ
事前に告知しておりましたプログラムが、出演者の都合により大幅に変更となりました。
ラヴィニアさんが間際まで悩んで決められたものだそうです。
ご了承の上お越しくださいますようお願いいたします。
下記が現在決定している演奏予定曲です。

J.S.バッハ:プレリュード
 ~平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 ハ長調 BWV846 より
クロフト:グラウンド ハ短調
ティルセン:映画「アメリ」のための音楽より
ある午後の数え詩/カフェ・ドゥ・ムーラン/おばけのワルツ
エイナウディ:パッサージオ/瑠璃/希望の扉
グラス:メタモルフォーシス 第2番
グロート:溺れた蝶
廣瀬 量平:ハープ・ソロのためのエレギア(悲歌)
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女/ヒースの荒野/月の光
サティ:ジムノペディ 第1番/グノシェンヌ 第1番、第5番




そして、2つ目は11月24日(月・振) 18:00開演
弦の饗宴 いにしえのハープとリュート
つのだ&西山
今回ご出演いただく2人による音源はこちらより

この公演は、ハープソロではなくリュートとハープ。
ともにヨーロッパ中世の宗教画にもしばしば登場し、天使たちが
演奏している姿が描かれている。1000年を越えて愛されてきた
長い歴史を持つリュートとハープは、その間に少しずつ形を変えてきた。


ルネサンスの時代に使われた少し小振りのルネサンスハープと澄んだ音色の
ルネサンスリュート。バロックの時代に使われた響きの豊かなバロックハープと
華奢で繊細な響きのバロックギターの組み合せ。
ぜひ、それぞれの時代の響きをお楽しみください。
ヨーロッパから南米へ大西洋を旅したハープとギターが
南米で身にまとった独特のリズムとラテンの香りも魅力的。

「バロック」や「ルネサンス」なんて聞くと、何となく難解で縁遠いように感じますが
大きくざっくり言ってしまえばヴィヴァルディの「四季」だって「バロック」時代の名曲。
誰でも、聞いた事がある曲だってたくさんあります。
聞いてしまえば、すんなりと心にしみるようですよ。


そして、最後に12月10日(水) 13:30開演
スイーツタイムコンサート「山宮るり子ハープコンサート」
スイーツ(山宮るり子)

彼女は世界最難関のミュンヘンコンクール(2009年)に第2位
リリー・ラスキーヌ国際ハープコンクール(2011年)に満場一致の優勝

という「日本人初の快挙」を成し遂げた注目のハーピストです。
チャリティシートもまだ数席ございます。
ぜひ、今この時の彼女の演奏をお聴きください。


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