植村×北村×ゴロホフ 完全燃焼トリオの夜 (3/12)
3月12日に行われたのは
名フィル客演コンサートマスターの植村太郎さん、
そして名古屋出身、
現在東京藝術大学を休学してベルリン留学中の北村朋幹さん、
それにハノーファー音楽演劇大学教授のチェリスト、
レオニード・ゴロホフさんの3人による
初顔合わせのトリオの演奏会。
ゴロホフさんには2年前に
無伴奏で宗次ホールのスイーツタイムコンサートに出演していただきました。
その時、リハーサル中に植村さんがやってきて親しげにお話をしているので
「知り合いなんですね」と尋ねたら
「良く知ってるよ~、
今度は是非日本で一緒にやろうって話をしておいた」と植村さん。
それなら、と、今回のゴロホフさんの来日のタイミングで共演をと狙っていました。
そこへ、ベルリン留学中の北村さんなら現地で練習もできるね、と
植村さんの仲介でどんどん話がまとまり、今回のコンサートに至ったわけです。
↑ハノーファーのゴロホフさん自宅で練習(植村さん提供)
チャイコフスキー、ショスタコーヴィチという
2人のロシアの作曲家がそれぞれ親しい友人の追悼のために書いた
ピアノ三重奏の名曲を並べるプログラムも比較的すぐまとまりました。
震災から2年ということと、
2人の若手に対して一日の長がある
ゴロホフ氏の持っている様々なロシア音楽の秘伝を演奏に生かそう
という狙いです。
さて既に前日、ホールではオライオン弦楽四重奏団と関本昌平さんの演奏会が
行われているのと同時に、
上層階でリハーサルが着々と行われておりました。
さすがにアンサンブルの感覚を持っている3人同士だからでしょう。
演奏の手を止めないで、もう大声でほとんど怒鳴りながら言い合いして
練習しています。
こちら当日のゲネプロ風景。
北村さんも「ゴロホフさんが演奏するとかもし出される
独特のロシアの雰囲気というものがあって
あわせていて本当に楽しい」とのこと。
さて本番、激しい演奏にブレてしまった写真が多いのですが、
なんとか3人の弾き姿をとりました。
チャイコフスキーのラスト5~6分と言うところで、
植村さんの楽器の弦が切れ、弦を張り替えて演奏再開、というハプニングもありましたが、
確かにあれだけ弾いたら切れてしまうかも、という大熱演でした。
(北村さん曰く「前半終わった時点でもう相当エネルギー消費してましたよ」と。)
↑切れてしまった弦の残骸
アンコールにシューベルトのピアノ三重奏曲 第1番から 第2楽章を演奏して
暖かい雰囲気で演奏会が締めくくられました。
ホワイエはご友人の方々をはじめ、
出演の3人とお話したいと言う方で一杯でした。
最後に舞台で記念写真を撮り、
またこの3人で出来ることがあればいいね、とお開き。
(スタッフ/にしの)