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レコード芸術誌で特選のチェンバロ演奏会!【2/8 辰巳美納子 チェンバロ】


2月8日はチェンバロ奏者、辰巳美納子さんのリサイタルでした。
辰巳さんは、宗次ホールで「バッハの海へ」という企画が始まったことを
すでに昨年の年明けに察知して、
ご自身の初のCDリリースのタイミングに合わせて
宗次ホールで演奏会を開きたいと申し出られたのです。

そのCDがこちら・・・

J. S. バッハ:半音階的幻想曲とフーガ/イタリア協奏曲J. S. バッハ:半音階的幻想曲とフーガ/イタリア協奏曲
(2012/10/07)
辰巳美納子、J. S. バッハ 他

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レコード芸術誌2012年11月号で特選に選ばれました!

その収録曲を中心にした演奏会。
使用されたチェンバロはこちら・・・

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CDの録音でも使われた楽器で、辰巳さんが所有しています。
ご自宅の高崎からはるばる運ばれてきました。
辰巳さんがアムステルダムにいるときに制作してもらった楽器だそうで、
昨年の年明けに亡くなったチェンバロの巨匠、グスタフ・レオンハルトが
レコーディングで使用したい、ということで、貸し出したこともあるそうです!

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楽器のこと、作品のことについて短くお話を交えながらの
演奏会となりました。

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会場の空気に混ざって広がる粒立ちがよい音色。
ピアノと違って鍵盤を叩く強さで強弱をコントロールできないチェンバロ。
しかし「弦をはじいて音を出す」というチェンバロの特性を生かして、
弦をはじく速度を微妙に変えながら、
音に「軽い・重い」「鋭い・柔らかい」のニュアンスを与えて、
それによって強弱までもを表現することができるんだとか。

辰巳さんが使用していた楽譜を後で見せていただきました。

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この表紙は初版のもののコピーだそうです。

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そして楽譜。美しい・・・だけでなく
後の人の解釈や校訂で恣意的に変えられていないものだそう。
できるだけそういったオリジナルに限りなく近いものを探して
演奏しようと心がけている、と辰巳さん。
やはり元をたどらないと、本当にバッハが言いたかったことに迫るのに
遠回りをすることになってしまうんだそうです。

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おや、と思ったのはこのページ。
下の欄外に、付け足したように楽譜が掛かれてます。
「これは、たぶん紙が当時貴重だったし
 あとすこしで終わるのに次のページに行くのは
 めくりにくいから、苦肉の策で欄外に付け足したんでしょうね」と。
こんなところにも当時の写譜屋さんの仕事の跡や、
手作りの味があって面白いですね。

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演奏会が終わり、多くの方がサイン会に並んでくださいました。

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そして、宗次オーナー、楽器とともに記念撮影。



○おまけ

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椅子も、辰巳さんがいつも使っていらっしゃるものを持ち込みました。
楽器とおそろいの、らせん状の装飾のあるアンティーク椅子。
これも素敵でした。


(スタッフ/にしの)


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