190年前のピアノがやってきた(8/2:デン・ハーグ ピアノ五重奏団①)
8月2日のスイーツタイム・コンサート
「デン・ハーグ ピアノ五重奏団」は楽曲が生まれた当時の楽器を再現して演奏する団体です。
チェロにはエンドピンが無く、弦楽器は全部、羊の腸を寄り合わせたガット弦を使用。
弓の形も現代のものとはずいぶん違います。
そして何と言っても、ピアノ。
今回は1820年頃に製作された、今はもうほとんど見られない
「ウィーン式跳ね上げアクション」のフォルテピアノを使用。
レプリカが多い中、これは当時のオリジナルです。
楽器は東京からやってきました。
手前の特製ゴムタイヤ台車は楽器屋さんのお手製。
宗次ホールの搬入口のエレベーターは定員9名。
荷物用の大型のものでは無いので、いつもエレベータに入るかは入らないか、
ギリギリの出たこと勝負。
今回は見事に逆立ちして入りました。
楽器屋さん曰く「この楽器にとって、エレベーターで倒立ってきっと初めてじゃないかなぁー」
190年経って初のポーズを激写。
舞台に到着。普段は見えない楽器の「おなか側」が明らかに。
このピアノには5本のペダルが装備されていて、
この格好で置いてみると
ペダルからワイヤーで引っ掛けられる“てこ”の部分が丸見え。
足とペダルをくみ上げて、これで一応本来の形になりました。
木目がきれいです。年月の割にゆがみも少ないですね。
鍵盤は全部で73。
製作者「Johann Georg Grober(ヨハン・ゲオルグ・グレーバー)」のプレートが入ってます。
工房はオーストリアのインスブルックにありました。
現代のピアノと違い、
低音から高音まで弦がクロスしないで平行に張られています。
鋳物のフレームはまだありません。全て木材で作られています。
一番右のペダルは長い年月の間に磨り減って
他よりも少し短くなりました。
演奏者が到着。これからリハーサルです。
※②へ続く・・・
(スタッフ/にしの)