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ヴァイオリニスト 植村太郎さんの取材に同行(2)


(1)より続きます・・・

中日新聞の記者さんは昔から植村さんを良くご存知の方。
「久しぶり!」「ベルリン暮らしはどうなの?」といった気さくな会話で始まり
楽器の話に・・・

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記者さん:この楽器は宗次さんから借りているもの?

そうです。もう1年くらいかな。クレモナのトマス・バレストリエリ1760年製です。
重厚な低音が出るのが特徴。高音も明るく輝かしい感じがします。


先日ヴァイオリン職人の方の取材があって知ったけれど
このf字孔のところのなだらかさが・・・・

(※しばらく楽器についての会話が続きます・・・)

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ところでジュネーブ、ハノーファーと移ってきて、ベルリンはどうなの?

とてもエキサイティングな街。あらゆる芸術が集まっていて・・・、
今年でベルリンも2年目ですが、ハノーファーから移ってきて良かったと思います。
今は、学校に籍はあるものの、そこの先生に個人レッスンを受けているだけなので
比較的自由にやっています。学業というよりは演奏活動が主になりつつある。
カラヤン・アカデミーやベルリンフィルの有志を中心に組んだ
室内オケのような団体に参加することも。
先日はカラヤン・アカデミーのオケで
マレイ・ペライアの弾き振りでコンチェルトを演奏しました。
それはとても素晴らしい演奏会になりました。リハーサルは10回有りましたけれど・・・。
そういうオーケストラの練習は大抵、朝か夜どちらかそれぞれ2~3時間で終わるので、
昼間は大体レパートリーを広げるために新しい曲の練習と勉強に充てています。


ベルリンフィルやオペラなどの演奏会にも良く聴きにいく?


リハーサルも公開されていますし、割と自由に入れますよ。
本番のときは立ち見席に自分でマイ椅子を持ち込んだり・・・
本当はやっちゃいけないことで怒られるのかもしれないけど(笑)
今シーズンは名フィルの客演コンサートマスターを15回務めました。
15回っていうのは客演にしては割と多いと思いますよ。
1回に3曲だとしても45曲ですから。
それだけコンマスとして曲をしっかり把握しておかなくちゃならないわけです。
今ちょうど今度愛知県文化振興事業団のオペラ「マクベス」を勉強していますが
スコアだけで4巻ありますし、
ヨーロッパのオペラハウスと違って準備期間も上演期間も短いから本当に大変です。


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震災の後、在外の日本の演奏家たちがずいぶんチャリテイーコンサートなどで
支援活動をしてくださっていたけれど、植村さんもそういう活動に関わっていた?

ハノーファー近郊で数箇所の教会を回って演奏しました。
向こうは教会同士のつながりがちゃんと出来ていて、
どこかでチャリティーコンサートをすると隣町の教会でも出来るよ、
といった情報が入ってくるのでとても勝手が良いんです。
今回チラシに使った写真に映っている教会も、チャリティーコンサートの会場で・・・。

uemurakirche.jpg

それからプログラムの話に戻りますが、やはり震災のことを思うと
バッハの無伴奏、というのは自然な選曲だと思います。


先ほどの朝日新聞でもお話されていたバッハを演奏したいという意気込みを語る植村さん。
そしてそのために練習時にも座禅を組んだり、一度滝行に出かけた、といったエピソードも・・・。


「派手なプログラムでは無いけれど、今の僕が最も伝えたいことが伝えられるプログラムだと思う」
という植村さんの、地元での2年ぶりのリサイタルにどうぞご期待下さい。

コンサート詳細はこちら

(スタッフ/にしの)


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