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ヴァイオリニスト 植村太郎さんの取材に同行(1)


3月28日のリサイタルを控え、
三重県桑名市出身、名古屋市内の高校に通い、
桐朋学園大学を経てジュネーブ、ハノーファーへ留学。
そして現在ベルリン在住のヴァイオリニスト、植村太郎さんの取材が行われました。
名古屋フィルハーモニー交響楽団の客演コンサートマスターも務めていらっしゃる植村さん。
ドイツと日本を行き来しながら活動中
2008年1月に「ジュピター・カルテット・ジャパン」のメンバーとしての来演以来、
宗次ホールには2回目の登場です。

uemurapress1.jpg

まずは朝日新聞名古屋本社での取材。
写真も撮りますよ、とお伝えしたところ
舞台衣装のドレスシャツと黒いジャケットでいらっしゃいました。

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記者さん:今回のリサイタルは名古屋では2回目ですね?

植村さん:2010年3月に電気文化会館さんで行って以来ですね。

今回のプログラムのコンセプトは?

とにかくバッハのシャコンヌ付のパルティータ第2番をメインに据えたかったんです。
実はシャコンヌを演奏会としてちゃんと弾くのは初めてなんですよ。
普通は無伴奏の曲を前半に入れることが多いのですが、
今回はあえて逆にしています。
また演奏する順番も
現代に近いシェーンベルク、そしてベートーヴェン、さらにバッハ、と時代を逆行する順です。
そうすることによって、演奏者も聴き手も
まるで自分の記憶をたどるような、そして結果として精神的にも深い場所まで
到達できるような気がするんです。

こういうプログラム順で演奏会をするのは初めて?

実は最近ベルリンの200席くらいの会場で
これと全く同じプログラムをやりました。
最後にバッハの無伴奏、それもシャコンヌに向かって
意図したような、まるで最後は瞑想に至るような効果が現れたと感じています。
例えばアンドッラーシュ・シフが弾く「ゴルトベルク変奏曲」や
ラトルの指揮によるマーラーの交響曲に接して、
そういう精神的な世界へ聴き手を連れて行く音楽家、という有り方に
とても強い憧れを感じています。
またそれこそが音楽家の役割だと考えていました。


無伴奏を最後にもってきた、という意外性とともに。
例えばベートーヴェンのソナタは第6番を選んでいらっしゃることも珍しいですね。
もっとメジャーな作品もある中で、どうして6番を?


ベートーヴェンのソナタの中で、今の自分のキャラクターに一番近いものを感じるからです。
何か、そのまま無理をせずともこの曲は自分らしさを出すことが出来るんです。
それに第2楽章のあの美しい歌、あれはベートーヴェンのヴァイオリンソナタの中でも
一番美しい音楽ではないでしょうか。



次は中日新聞での取材。
アーティストの車に便乗して移動することなんて滅多にないのですが
今日は特別、植村さんの車に乗せていただきました。
運転中の植村さんの貴重なショットです。

uemurapress2.jpg

車の中で・・・・

にしの:気になっていたんですが、あのヴァイオリンケースは特別に作ったんですか?

植村さん:あれは着物の帯ですよ。特注なのかなぁ・・・。

uemurapress6.jpg

このケース欲しいっていう人多いんではないですか? 特に海外では。

そうですね。でも空港の手荷物検査なんかでよく止められちゃうんですよ。
日本では(着物柄の「楽器ケース」だと分かってもらえるので)そういうことは無いんだけど。
海外ではよくある。派手だから何が入ってるか怪しく思うんでしょうね。

空港といえば、楽器であっても機内持ち込みが厳しくなったと訊きますが
その影響はどうですか?

たしかにそうですね。一度ロンドンから日本に帰ってくるとき、
某航空会社の地上スタッフがどうしてもこれは機内に持ち込むな、と。
それがまたよっぽど酷い言い方するんで、こっちも腹が立って
「もういい、乗らん!!」とそのまま空港を飛び出して・・・
飛び出してきたは良いけれどさてどうしたもんかと・・・。
その足でロンドンの友人のところへ行って泊めてもらって、
次の日電車でパリへ移動して、ド・ゴール空港のJALカウンターに行って事情を話したら
無料で乗せてくれましたよ。


興味深い話が尽きない植村さん。
(2)に続きます!


(スタッフ/にしの)


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