こんにちは。ブログを長い間お休みしてしまっておりました。
これから、また色々ご紹介していきたいと思います。まずは今月23日に開催する公演のご紹介です!
オーストラリアの首都、キャンベラ出身のヘンショウさんはオーストラリアの若い世代を代表するギタリスト。演奏を届けるため豪州の街から街へ、2000Kmもの距離を自転車で(!)移動されているというタフな方ですが、実は指の故障で一時は全くギターが弾けなくなった、「どん底から奇跡の復活を成し遂げた唯一無二のギタリスト」なのです!
(以下、Classical Guitarインタビュー記事より)
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2014中頃、自分の腕に強い違和感を感じるようになりました。コンクールに出場するための長時間の練習、重いスーツケースとギター、そして精神的な疲れとストレス。それらが重なり続けて、身体が発していた痛みという「SOS」のサインを無視し続けていました。それから、腕の故障との長い付き合いがはじまったのです。前腕のピリピリ感、熱を伴う痛み。突発的に起こるこれらの症状を恐れるがあまり、精神的にも不安が付きまとうようになりました。それが原因でメンタルにも支障をきたすようになってしまったのです。
しかし恩師に会い(ギターを実際には弾けない時も多かったけれど)、会話を交わし、理解をしてもらえることで本当に救われました。そして素晴らしい理学療法士にも出会うことができ、自分のからだについてもっと全体的な見方をすることができるようになりました。腕の違和感は背中や足にも繋がっているということ、座る時には腹に力を入れてしっかり腰かけること、立ち上がるときは膝にしっかり意識を向けること…等々、身体と心(意識)の繋がりを学びました。心理的なストレス、悩みごとは腕の痛みと直結していることもわかりました。
リハビリでは、2-3分だけ弾いてたっぷり休憩をとって…という繰り返しを行い、少しずつ弾く時間を伸ばしていきました。ポンセ作曲の「スペインのフォリア」による変奏曲とフーガなどは、短い中に複雑なフレーズ等が多く含まれ、この頃楽しんで練習しました。難解なフレーズと、その後の(身体の)完全な脱力。この体のリハビリを目的としていた時期に、大切なこと、そしてギターの今までとは異なる楽しみ方を発見できたと思っています。この時身に着いた身体の正しい使い方は、ステージに戻ってきた今も、大変役に立っています。今でこそ、演奏することが楽しい!と心から感じています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 約1年間の努力のリハビリを経て復活したヘンショウさん。「苦悩を体験した彼の音楽には説得力と優しさがある」といわれる彼の演奏を、是非聴きにいらしてください!
●●4/23にも演奏されるブローウェル:
ソナタ第3番「黒いデカメロン」より“こだまの谷からの恋人たちの遁走”●●