デームスと言えば・・・
♪シューマン:ピアノ五重奏曲&ピアノ四重奏曲
バリリ四重奏団&イェルク・デームス
1956年 録音 ウェストミンスター盤
デームスといえばあまたの録音があれど、やはりどうしても20代の若き日にウィーンフィルの名手達と録音したこのCDを挙げないわけには行かないと思う。
若い頃からデームスはデームスだったのだなぁ、と思わずにはいられない。
全く押し付けがましさの無い自然体な音楽。
80歳を日本で迎える名匠の名古屋公演がいよいよ来週です。
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ところで、今回のリサイタルのトリはフランクの大曲「前奏曲、コラールとフーガ」ですが、実はフランクのピアノ作品についての研究や楽譜の校訂について、デームスは長年取り組んできました。フランクの没後100周年にあたった1990年には、フランクのピアノ作品集のCDをリリース。そのブックレットの中でも「ここにフランク復興の一つの幕明けを意味するものにならんことを!」と宣言していらっしゃいます。
フランクというと確かにヴァイオリンソナタ、それに交響曲くらいが有名で、あとの作品はどうも地味な印象をお持ちの方も多いと思います。しかし、この「前奏曲、コラールとフーガ」は、フランクへの偏見をきっと跳ね返すだけの魅力を秘めた作品です。ましてや、それがデームスの演奏ならば!
♪フランク:珠玉のピアノ作品集
イェルク:デームス(Pf)
1985年録音 プラッツ(コロンビア)盤
この演奏・・・特にコラールに入っていくところ。教会の地下墓地への階段を静かに密やかに下っていくように音符が下降していく。ここの音色がとてもきれい。(だからこんな風に映像が頭の中にぼわーっと浮かんでしまうのです。)録音状態はさほどよいとは思えないのですが、それでもなんともいえない厳粛な気分にさせられてしまいます。フィナーレの神様が降りてくるシーン(コラールの主題が長調になって帰ってきて駆け回ってるところ)も聴きものです。これが生で聴けるとは。
既に今回のツアーでは先月から来日して精力的に演奏活動を行っているようで、各地で行われた演奏会は多くの方々のブログで絶賛されています。名古屋の方々も是非!演奏会情報はこちらです。
(スタッフ/に)