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8月6日(日) カルテット・ダモーレ&ロリエ弦楽四重奏団 2つの全く雰囲気の違うカルテットの共演に向けてのインタビュー


第3回宗次ホール弦楽四重奏コンクール第3位&聴衆賞
8月6日(日) カルテット・ダモーレ&ロリエ弦楽四重奏団
2つの全く雰囲気の違うカルテットの共演に向けてのインタビュー







カルテット・ダモーレ Quartett d'amore

牧野 葵・中村 真帆(ヴァイオリン)
白井 英峻(ヴィオラ)、関根 のぞみ(チェロ)
2013年4月に結成。
これまでに、マティアス・ブッフホルツ氏、プラジャークカルテット、シュトイデカルテット、ライナー・ホーネック氏、フォルクハルト・シュトイデ氏、ウラディーミル・ブカチ氏の公開レッスンを受講。
大学在籍中、4年連続で学内選抜による「室内楽の夕べ」に出演。
第26回リゾナーレ室内楽セミナー受講。
第3回宗次ホール弦楽四重奏コンクール第3位。
これまでに、福本泰之、桐山建志、白石禮子、天野武子、百武由紀の各氏に師事。



ロリエ弦楽四重奏団 Lorie String Quartet
知見寺 武・迫田 圭(ヴァイオリン)
池田 開渡(ヴィオラ)、細井 唯(チェロ)
2009年、東京音楽大学弦楽器専攻の知見寺武、迫田圭、横畠俊介、堀江牧生の4人により結成。
同年、木山光「弦楽四重奏2番」の初演を行う。
翌2010年3月、日暮里サニーホールにて初の単独公演を実施。
2010年から2016年まで毎年、自主企画による演奏会を東京、神奈川、北九州等、各地で行う。
アルディッティ弦楽四重奏団のマスタークラスを受講。
プロジェクトQ第10章に参加。
個人およびカルテットとして世代を問わず作曲家からの公演、演奏依頼を数多く受ける。






第3回宗次ホール弦楽四重奏コンクールで第3位を受賞した愛知芸大出身のカルテット・ダモーレと、
聴衆賞を受賞した東京音楽出身のロリエ弦楽四重奏団。
写真を見ても一目瞭然、全く雰囲気の違うこの2団体が今回注目の初共演!


両団体にずばり同じ質問を投げかけてみました!



●まず、カルテットを組んだきっかけを教えてください。


カルテット・ダモーレ 牧野さん(以下ダモーレ)
愛知県立芸大に入学した時からなので、今年でもう5年目になります。
学部1年生は授業のために先生の人選でカルテットを組むのです。
ですから自分たちで決めたのではなくて、奇跡的に集まった4人というわけです。
学年が上がると皆、違うメンバーと組んだりするのですが、
このように入学時からずっと同じメンバーで続けていることは凄いことだと思いますし、
これからもお互いを高め合える関係でありたいなと思います。


ロリエ弦楽四重奏団 知見寺さん(以下ロリエ)
かれこれもう9年前になりますが、
ある作曲家の方からいくつかの弦楽四重奏曲の演奏を依頼されました。
当時はまだ同時代の作品を積極的に演奏しようとする人は少なく、
それを抵抗無く受け入れて演奏するとなると思い浮かぶ人間は必然的に知見寺と迫田、
それから当時のメンバー2人が揃いました。
留学やら諸々の事情で低弦の2人が入れ替わり、今の形になりました。




●今の4人はそれぞれどんな特色を持ったメンバー?


ダモーレ
まず、牧野さんはダモーレ唯一の茶髪で見た目はギャル(笑)なんですが、
すごく自分を持っていて努力家なんです。
本当に頼れるリーダーです。
中村さんは、まさにセカンドヴァイオリンの役割のごとく皆に寄り添います。
自由奔放で変わったことが好きですが、カルテットへの愛はとても深いです。
そしてヴィオラの白井くんは性格でも演奏でもとにかく純粋。
怒ったところ見た事あったかな?(笑)
たまにとんでもなく天然な発言をして笑いをとってますね!
チェロの関根さんはおっとりしていていつもみんなを見守ってくれます。
でもいつも度胸があり、何事にも物怖じしないなぁと思ってます。
そして意外にも低い声がでます。(笑)
それぞれも個性的なメンバーですが、
やはり4人に共通するのは、音楽に対して、
弦楽四重奏に対していつも謙虚に真摯に向き合っている事だと思います。
みんなの音楽に対してぶれない姿勢はお互いに尊敬出来ます。


ロリエ
私(知見寺)は髪が長い風貌とは裏腹に、そこまで変わった人物ではなくむしろ保守的です。
酒ばかり飲み、周りに怒られてばかりの……悲しくなってきたのでもうこれ以上書きません。
迫田は作曲もするし、数種類の楽器が演奏できて他のジャンルの音楽にも精通している…。
最近の言い回しをするなら「チート」(注:ズルい)ですね。
他人のつまらないギャグを素直に笑ってあげる優しさと、
自分ではつまらない発言をしないスキルも持ち合わせています。
池田はメンバー中最年少です。ついでにメンバー最低身長。
しかし彼は本来ヴァイオリン奏者であり、
ロリエの2人のヴァイオリニストを吹っ飛ばすのではないかという程の技術があります…
もしかしたらメンデルスゾーンでヴァイオリンの彼の勇姿が見られるかと。
あと料理が上手く家庭的です…お嫁さん候補。
細井は喋りません、時々発作的にロバのような鳴き声を上げます。
どうでも良さそうな知識及び知恵をたくさん持っており、
そのおかげで変なタイミングで誰かや自分の危機を救うことが多い…謎ですね。
(彼女できたか?)



●宗次ホールのコンクールに出場をきめたきっかけは?


ダモーレ
大学2年生の頃に初めてこのコンクールの存在を知って出てみたいと思っていました。
そしてちょうど4年生の時にコンクールがあってこれはチャンスだな!と思って。


ロリエ 実はカルテットでのコンクールというものに興味を持っていないメンバーがいました。
「人に審査されたりとかが嫌!」と言った理由ではなく、
こういった(普通でない)団体なので普通のコンクールだと
「出場しちゃって大丈夫なの?」みたいな。
細井が今回のコンクールに興味を持ってくれて、
1度もコンクール受けた事ないってのもなんかなぁ…という下らない事と、
先生方のレッスンを受けられる、という割とちゃんとした理由で
メンバー一同決意が固まったと思います。



●コンクールの結果についてはどう感じましたか?


ダモーレ
第3位という結果になり、とても嬉しく思います。
コンクールの本番が終わったあと、自分達はまだまだ未熟だな、と思っていたので
まさか表彰を受けるとは!と驚きました。
とても励みになり、自信がつきました。
また先生方の講評を聴き、
自分達のカルテットの長所、短所を改めて認識出来た良い機会にもなりました。



ロリエ 出演する以上は第1位欲しかったです(笑)。
でも聴衆賞を頂けたのも素直に嬉しいです。
今回ハイドンでは「エルデーディ四重奏曲」の第1曲目とバルトークの第3番を自由曲で弾かせていただき、
審査員の先生方とも聴きに来て下さった方ともたくさんお話させていただきました。
バルトークに注目が集まり、曲に助けられたかな、と言うのが正直な感想でした。
でしたと言うかそういう一面もあると今でも思います。
しかし、予想外な事にハイドンの演奏にも嬉しい反響が同じかそれ以上ありました。
今後、今のスタイルを貫いて行くべきかどうか、
コンクールでの結果も踏まえて考える良いターニングポイントになったと思います。



●今回、メンデルスゾーンの八重奏曲を共演するというオファーを受けた時、
正直どのように感じましたか?


ダモーレ
大学在学中に、この曲を他のカルテットとやろうとなって
メンバーのグループLINEまで作ったのですが、
結局実現せず、いつかやりたいと思っていたので、
このお話しをいただいたときは、ついに演奏できる!!と素直に嬉しかったです!
そして、共演させていただくロリエ四重奏団さんとは、
コンクール後に記念に写真を撮っていただいたくらい、
私たちにとって興味深いグループだったので、共演できることもとても嬉しいです!


ロリエ
それぞれ別々の活動をしている弦楽四重奏団が集まった時によく演奏される曲ですよね。
自分達だけで多重録音する所もありますが。
質問に正直と書いてあるので正直にお答えすると、
やはり室内楽は誰かと合わせる事の楽しさが一番にあると思います。
それは「どクラシック」だろうが、「ど古典」だろうが、「ど現代」だろうが。
利己的にも包括的にもならず、
コミュニケーションでいいものを創りあげようといろいろ模索する……。
そういう対話って一番大事な事なんじゃないかと思います。
現代作品奏者の俺らがメンデルスゾーンかよ…
とかそんな偏った気持ちは一切ありませんよ(笑)。



●どんな共演にしたいですか?


ダモーレ
お互いのクァルテットの良さを出しながら、自分たちも、お客様も楽しくて、興奮するような、
心に残る演奏がしたいです。


ロリエ
お互いの四重奏団集まって音を出して合わせて、
それぞれの個性に対して賞賛と文句を出し切った演奏。
その結果が聴きに来て下さった方の心と、
演奏する我々の心に残るものであると願っています。




●ここからは少し個別に。
ダモーレさんが今回単独で演奏するベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番については?



ダモーレ
この曲を含むベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番から第9番の3曲「ラズモフスキーセット」は、
それまでにない規模の、もはや室内楽の規模ではなく、交響的な音世界を表現したものです。
中でも今回選んだ第9番はとても爽快で、勢いのある曲です。
特に第4楽章は素晴らしいフーガが聴かせどころで、
とても楽しい楽章でもあります。
学部時代に一度ラズモフスキーセットはざっと勉強したのですが、
消化不良なところもあり、
陽の目を見ず中途半端なところで放置していました。
昨年まで同じベートーヴェンの第10番「ハープ」を勉強していて、
なかなか「ラズモフスキー」に手が回らないなと思っていたところでこのような機会を頂けて、
ヤッタ!という感じです。
「ハープ」とはまた違うベートーヴェンの一面をお伝えしたいなと思っています。
そういった意味でもわくわくのプログラムです。



●カルテット・ダモーレの「ここが売りだ」と思うところは?


ダモーレ
これは僕(白井)の意見ですが、良い意味でのメンバーの性格の違い。
それぞれの性格が、ちょうどカルテットの役割に近いような気がします。
ファーストは責任感の強い牧野さん、セカンドは気配り係の中村さん、
チェロはしっかり屋の関根さん、ヴィオラは、おっとり屋。
様々な違いのある4人ですが、合わせを積み重ね、
そして全員の良い部分を引き出し、納得して弾けたその瞬間が、最高です。
その時を、本番で皆さまと共有出来たらもっと最高ですね。



●ロリエさんのほうは当初予定していたリゲティの第2番から第1番に変更されました。
この作品については?


ロリエ
実はチラシを作成するタイミングでは第2番と考えていたのですが、
それでも迷いがあって・・・
結局最終的に変更して第1番を選ぶことにしました。
この曲には「夜の変容」という副題がついています。
あらゆるものを溶かすような主題の半音階の進行が楽曲全体を支配し、
時に荒々しく時に優しく美しく、または皮肉に奏でられます。
12音技法等の作曲技法、打楽器的奏法、
スル・ポンティチェロ (駒の付近をシャカシャカ弾く)など多彩な音色で夜を表現し、
最後は静かに消えていきます。
大震災が重なった2011年に今とは違うメンバーで一度演奏する機会があったのですが、
練習場所も確保できずお客様も自粛ムードで…未練があった曲です。
今回また演奏できる機会を与えていただき感無量です、
皆様の心に少しでも残れたら幸いです。











≪スイーツタイムコンサート≫
カルテット・ダモーレ&ロリエ弦楽四重奏団


ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 Op.59-3
リゲティ:弦楽四重奏曲 第1番 「夜の変容」
※当初発表の曲目から変更されております。
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20



8月6日(日) 13:30開演 13:00開場
自由席 2,000円 (チャリティーシート 2,200円)




スイーツ(ロリエ&ダモーレ)表
スイーツ(ロリエ&ダモーレ)裏



第3回宗次ホール弦楽四重奏コンクールについては、
こちらをご覧くださいませ。


第1位を獲得したエイム四重奏団のコンサートは7月30日。

エイムQ上森翔平(表)
エイムQ上森翔平(裏)




第2位を獲得したタレイアカルテットのコンサートは9月10日です。

スイーツ(タレイア)表
スイーツ(タレイア)裏




宗次ホールでのコンサートチケットは、

宗次ホールチケットセンター窓口あるいはお電話で♫


☏ 052-265-1718
(営業時間 10:00~18:00 )




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