2019.10.28 石川滋 コントラバス・コンサート
読売日本交響楽団のソロ・コントラバス奏者 石川滋さんは宗次ホールに二度目のご登場。今回は前半を完全なコントラバスの無伴奏、しかも現代の作品を取り上げ、コントラバスがもつ様々な表現の幅をひとつひとつご覧に入れましょう、といった感じ。後半は、メロディアスなミシュクの「レジェンド」(終演後「レジェンド」という立派なタイトルとはちょっと曲想が違うよね、とおっしゃっていました)と、フランクのヴァイオリンソナタ。チェロやフルート、サクソフォンなど、様々な楽器で演奏されているこの曲ですが、コントラバスでというのはちょっと聴いたことがありません。ヴァイオリンではなんでもないことがコントラバスでは超絶技巧になってしまいますが、石川さんはその制約を感じさせず、音楽の素晴らしさをコントラバスの柔らかく広がる響きを活かしながら、訴えかけます。共演したピアニスト鈴木慎崇さんも、ヴァイオリンに比べ、音域がピアノと重なりやすいコントラバスとのデュオということを意識した絶妙な寄り添い方。アンコールは、これがコントラバスのための作品であるかのように感じるほど、ぴったりハマったフォーレの「夢のあとに」と、コントラバスといえばこの曲、サン=サーンス「動物の謝肉祭ー象」でした。