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8/21 13:30~duo526


明日、8月21日(水)13:30からはアメリカからきたヴァイオリンとピアノのデュオ、duo526です。
以前ご紹介した通り、今回は幻想曲ばかりをあつめたプログラム。
珍しい作品もありますので、事前にこちらで曲目解説をご紹介したいと思います!
ご参考にして頂き、明日是非実演に触れて頂けたらと思います[emoji:v-21]
当日券もございます!

※ツイッターにも、お二人のリハーサル風景動画を掲載しました!
是非ご覧ください https://twitter.com/munetsuguhall

ーーー曲目解説ーーー
ヴィラ=ロボス:ソナタ・ファンタジア 第2番
ブラジル出身の作曲家、エイトル・ヴィラ=ロボスはほとんど独学で作曲を学び、生涯を通して1000曲以上の作品を残した(その数は20世紀最大とも言われる)南米のみならず、20世紀を代表する作曲家の1人です。

1914年ヴィラ=ロボスが結婚した翌年に書かれたソナタ第2番は翌年リオデジャネイロで初演されたものの、その約40年後まで出版されることはありませんでした。ブラジル民謡やダンスのリズムを活かしたヴィラロボス独特のリズムはとても特徴的ですが、このソナタでは例えば狂詩曲的な第2楽章で聴かれるフランス音楽印象派的な和声や、ピアノに聴かれるラフマニノフ作品のような激しさ、そして作品全体を通して流れるロマンチックな雰囲気など様々な音楽からの影響が色濃く表れています。


マッキー:哀歌と幻想曲
ジョン・マッキーは日本でも吹奏楽の曲などでよく知られたアメリカ人作曲家。エレジーとファンタジーは彼がまだ15歳の時に作曲されたもので、元々はヴァイオリンとピアノの為のソナタの第3楽章として着想されたものでした。エレジーは題名通りの哀歌、ピアノとヴァイオリンのメロディーが呼応しあう即興的なデュエット。ファンタジーはマッキー自身がその頃によく聞いていたというバーバーのピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲(共に終楽章)の激しいオスティナートに類似しており、最後まで嵐のように駆け抜けます。

初演は1991年、当時僅か15歳だったスービン・キムとニン・アンによって行われました。(スービン・キムはその5年後、1996年のパガニーニ国際コンクールの覇者となりました。)


バックス:ヴァイオリンソナタ 第2番
20世紀前半に活躍したイギリスの作曲家、アーノルド・バックス(サーやミドルネーム、受勲を全部入れると、サー・アーノルド・エドワード・トレヴァー・バックスKCVO〈ロイヤル・ヴィクトリア勲章〉)は数々の技巧的な曲を残しています。バックスは超自然現象に魅せられていた変わった人物で、ケルト文化、アイルランド伝説、民間伝承にもはまりアイルランド語を猛勉強。詩人兼小説家としてダブリンの文学界で受け入れられていたほどでした。

古典的な形式で書かれ、3楽章からなるヴィラロボスのソナタとは対極的に、4楽章が全てアタッカで(楽章の切れ目なく)演奏され、抑揚に飛んだ長い一曲となっています。1楽章と4楽章は情熱的なテーマが展開されますが、真夜中の死の舞踏(2楽章)、と3楽章は聞き手の想像力に問いかけるような静けさの中に激しさを感じる楽章です。楽章が休みなく演奏される形式はソナタを一曲として捉えやすく、これもまたバックスのファンタジーの意味だったのではないでしょうか。


ボルコム:幻想二重奏曲
20世紀のアメリカを代表する作曲家の一人、ウィリアムボルコムはゴーストラグなど、ジョプリンのようなスウィングのあるラグライムの曲などで有名ですが、このデュオファンタジーも例外ではありません。冒頭は頻繁に変わる拍子と調性の無いメロディーで20世紀の無調の曲らしく始まりますが、それもつかの間、コラール、早いワルツ、ゆっくりなワルツへと次々と展開していきます。早いテンポのラグタイムの後には“バプティスト教会のピアノでのスウィングワルツ”へと移行し、最後にまた無調の二重奏で終わりを迎えます。ヴィラロボスがブラジルの道端音楽をクラシック音楽へ取り込んだように、ボルコムの幻想曲もまたアメリカらしさを追求した、好奇心旺盛な曲です。

(文:贄川二葉・宗次ホール)



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