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宗次ホール ベートーヴェンプロジェクト 弦楽四重奏団「葦」


ベートーヴェンの生誕250年を迎える2020年に向けて、ベートーヴェンの弦楽のための室内楽作品を全9回公演で全曲演奏するというプロジェクトがここ、宗次ホールで始動します!

今回のプロジェクトのために結成された、国内外で活躍する若手実力派演奏家による弦楽四重奏団「葦」


中木 葦 弦楽四重奏(表)



今回は若くして東京藝術大学の准教授になられたチェロ中木健二さんにお話をうかがいました。

■ 今回のプロジェクトについておしえてください

□ 昨今開催される音楽会において室内楽は敬遠されがちです。よく知られた名曲に対して特にベートーヴェンが生涯かけて取り組んだ、歴史上最も偉大なものの一つである室内楽作品はそれほど演奏されていません。
ですが実際は音楽的な価値においてはピアノ曲や交響曲に引けを取ることはないどころか、それ以上に深い精神性や音楽の真価を、人間味溢れることばで語りかけるものなのです。
おそれ多くて今まで着手するもの躊躇していたようなレパートリーでした。ですが人生には限りがある。30代の今、出来るだけベートーヴェンを弾きたい。
そんな想いがあり一昨年から企画し始めました。


■ そんな壮大なプロジェクトをここ宗次ホールで。

□ 地元で精力的に活動していて、そして奏者と聴衆が一体となることができる、響き豊かな宗次ホールだからこそ、この企画に取り組みたいと思いました。


■ 「葦」というなまえの由来についておしえてください。

□ パスカルの一文“人間は考える葦である”から影響を受けたものではありますが、葦の花言葉“音楽、従順、神への信頼”からきています。演奏家としてのスター性云々よりも、なにより音楽に従順で、音楽の良さを届けたい。という気持ちからです。


■ 哲学的ですね。

□ ですが、決してコアなファンだけに向ける演奏会ではなく、ベートーヴェンの音楽にある人間らしさを出したいです。音楽の率直さ、辛辣さ、笑い、時にはロックを上回る激しさ。
打ち上げ花火のような、一発きりの派手な演奏会ではなく、一緒に積み上げていける、お客さんの心の琴線に触れるような演奏をしたいのです。


■ 4人の中でリーダーは決まっているのですか?

□ 決まっていません。4人で合わせるとベートーヴェンの曲を通してそれぞれ意見を出し合いながら、とても刺激的です。自分一人で練習した後に、さらに他の意見を聴いて多角的に創り上げることができるからです。リハーサル前と後とで、違う自分になった様に感じるほどです。


■ すごいですね。今から楽しみです。最後にお客様へメッセージをお願いします。

□ 音楽の持つ深み、温かさ、人間らしさを共有することの出来るプロジェクトに出来たらと思っています。自分にとっても音楽家人生を変えるような公演になると思います。皆様にお会いできるのを楽しみにしています。


■音楽に対する真摯な姿勢をお持ちで大変思慮深く、ご自身のお考えをしっかり語ってくださった中木さん。そんな素晴らしい音楽家でありつつも美味しいお酒とご飯屋さん巡りが大好きとのことで、楽しいお話もたくさん聞かせて下さいました。ベートーヴェンの深い精神世界を通してこのカルテットがどのように進化してゆくのか。5年間の旅がはじまります。

【第1回 プログラム】
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 Op.18-1
弦楽四重奏曲 第11番 へ短調 Op.95「セリオーソ」
弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 Op.132


2015年11月29日(日)15:00開演(14:15開場)
一般:4,000円 学生2,400円 [自由席/一部指定]
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ご予約は宗次ホールチケットセンターへ 
☎052-265-1718(毎日10:00~18:00 )

(スタッフ ひろた)


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