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LA FONTEVERDE ラ・フォンテヴェルデ を聴いて


 9月12日(土)に、鈴木美登里さんを中心に結成された
実力派声楽アンサンブル''ラ・フォンテヴェルデ''
第4回宗次ホール公演を聴きました。

プログラムは、
クラウディオ・モンテヴェルディ
マドリガーレ集全曲演奏シリーズ第4巻
〜革命期Ⅰ:新様式への挑戦〜

1592年に出版された『5声のマドリガーレ集第3巻』から、
11年も経って出版された『5声のマドリガーレ集第4巻』は、
モンテヴェルディの政治的な様々な挫折や、
1599年の宮廷歌手クラウディア・カッティーナとの結婚と、
その直後に触れたフランス音楽との出会いが、
モンテヴェルディ自身に刺激をもたらし、
新様式へ踏み出す大きなきっかけとなったのではないかと
言われているそうです。

そして、
1600年に出版されたジョヴァンニ・マリア・アルトゥージの
『アルトゥージ、あるいは現代音楽の不完全性について』
において、モンテヴェルディの新作マドリガーレは、
その新様式についてアルトゥージから批判を受けます。

「……それらは耳障りで、心地の良いものではなかった。音楽の良い規則を踏み外すと、
耳を喜ばせるという音楽家の勤めから遠ざかったものが生じる。……」

このアルトゥージの批判をめぐり論争が起こりました。
それは、対位法の規則を破って、
歌詞の持つ情緒を表現する手段として
不協和音程そのものを使用してよいのか という大論争で、
その論争は1630年頃まで続いたそうなのですが、
この出来事により、
モンテヴェルディの才能と名声は、
世に知らしめられることとなったそうです。

今回のプログラムの魅力は、
その第4巻の新様式である表現方法を情感豊かに
生気に満ちあふれた演奏をされたことだと思います。

不協和音程による表現が、今も耳に残っています。

「声による言葉の表現」に焦点を当てた精緻なアンサンブルが、
詩の語りと詩の語りが対話のように紡ぐ物語をつくりだし、
その物語がホールに響き渡り、客席でまるで音楽に包まれているような
驚きと感動にあふれたひとときを過ごすことができました。


日本では数少ないマドリガーレ・アンサンブル
''ラ・フォンテヴェルデ'' を立ち上げた
鈴木美登里(ソプラノ)さんは、
世界的リュート奏者、今村泰典さんとの共演で、
来月8日のスイーツタイムコンサートに、
ご出演されます!!!

20151008S1 のコピー



曲目は、

「ヘンリー・パーセルの歌曲集」 より 
ひとときの音楽
バラの花よりも甘く
わが苦悩のすべて
音楽が愛の糧なら
美しい島

ヘンデル:カンタータ「我が瞳よ、お前たちどうしてしまったのだ?」

ヴァイス:リュートソナタ ニ短調   他  

またきっと素晴らしい音楽の時間を味わせてくださると思います。

こちらもぜひ、聴きにいらしてください♪♫


(宗次ホール 横山深雪)


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