今年の目玉! コレッリ生誕360&没後300年記念企画のお知らせ
今年2013年、クラシック音楽界の話題は
まずワーグナーとヴェルディの生誕200周年。
そのほかにも
「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲で有名なマスカーニの生誕150周年
イギリスのブリテン、そしてポーランドのルトスワフスキの生誕100周年・・・など
記念年を迎える作曲家が少なからずありますが、
バロック音楽に目を向けると、真っ先にバッハやヴィヴァルディも多大な影響を受けた
イタリアの大作曲家コレッリの名前を挙げなくてはなりません。

というわけで6月15日と17日に宗次ホールでも
コレッリのメモリアルイヤーならではの演奏会が開催されます。
記念の年に同じコレッリの「ソナタ集(作品5)」のCDをリリースした両団体。
しかもどちらのCDもレコード藝術誌で特選盤になるという・・・これはなかなか凄いことです。
「双方ともに卓越した出来栄え・・・
凛とした格調高いその姿勢(大江戸バロック)
躍動感十分、唖然とするばかりの迫力(ダン・ラウリン/鈴木秀美/上尾直毅)」
と、レコード藝術誌面でもバロック音楽の大家 皆川達夫氏が太鼓判を押しています。
コレッリといえばスズキメソードなどでも練習曲として登場する
意外と身近にある曲なのですが、その名前は一般にまだまだ知られていないですよね。
しかし流石にヴィヴァルディやバッハが影響を受けたというくらいですから
この2人に負けず劣らず魅力的な作品を沢山書いています。
特に今回取り上げられる「ソナタ集 作品5」などは彼の代表作。
15日に出演する
「大江戸バロック=桐山建志さん(ヴァイオリン)と大塚直哉さん(チェンバロ)」の同曲の演奏は
こちらから試聴できますので是非聴いてみて下さい。
そして、17日に出演する鈴木秀美さんから
この演奏会に対してのメッセージも頂きましたので
どうぞお読み下さい。
ダン・リコーダー・コレッリ!!

△鈴木秀美(バロック・チェロ)
リコーダー…そんな別に取り立てて言うほどのもんじゃないでしょう、と
あなたは思っておられる?
どうせ、スペリオパイプなんていう小学校で習う騒音の元の延長、
あんなものに金を払うヤツがどこにいる、とか?
ダン・ラウリンのリコーダーは、そんな考えを払拭するだけではありません。
今までリコーダーをそんなふうに思っていたことが恥ずかしくなり、
世の中にこんな表現のできる楽器があったのか、
こんな楽しいものがあったのかと嬉しく思わせてくれるでしょう。
そしてまた、コレッリという作曲家を知っている人は、
ヴァイオリンで演奏するのとはまた違った魅力がこんなにあるのかと、
そしてとにかく彼のブッ飛んだ装飾の想像力に目を瞠ることでしょう。
作品5の4はこんな風に始まります。

さてしかし、ダンの装飾ではどうなるでしょうか??

△ブッ飛んだリコーダー奏者(?) ダン・ラウリン氏
バロック音楽を勉強する人、或いは弾きたいと思っている人にとって
コレッリは教科書的存在で、
ヴァイオリンでもリコーダーでも必ず勉強しますし、
通奏低音の勉強としても最高の課題です。
それどころか実はモダンの世界でも、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、
さらにはトロンボーン、チューバに至るまで、
実に様々な楽器の課題として編曲されているのです。
でもモダンの世界で使うそれらは何の装飾もなく、
ただ単純な旋律を弾くだけの練習曲扱いです。
誰も教科書や練習曲を面白いものとは考えないでしょう。
しかしそれがダンの手にかかると、
実に多彩で、歓びや悲しみ、安堵や不安など
多くの情感を含んだ音楽へと様変わりします。
また通奏低音楽器、鍵盤にとってもチェロにとっても、
コレッリのバスは実に楽しく面白く、
しかし決して簡単ではない、やり甲斐のある仕事です。
ダン・ラウリン、鈴木秀美と上尾直毅のトリオによる演奏は
言わば3人で弾く合奏協奏曲のようなもの、
皆さんを幸せにし、想像力を多いに掻き立てられると思っています。
宗次ホールの響きでリコーダーを聴けばおそらく、
ちょっと教会の中にいるような気さえするでしょう。
多くの方とこの歓びを分かち合えることを心から願っています。
鈴木秀美
CDを聴いてみたい、という方はこちらへ・・・
![]() | コレッリ ヴァイオリン・ソナタ集 作品5 (2013/03/07) 大江戸バロック 商品詳細を見る |
![]() | コレッリ (1653~1713) : ソナタ (リコーダー版) Op.5 より (Arcangelo Corelli : Sonatas from Op.5 / Dan Laurin , Hidemi Suzuki , Naoki Ueo) (2013/02/20) 鈴木秀美、ダン・ラウリン 他 商品詳細を見る |
(スタッフ/にしの)