結果発表の前にシュロモ・ミンツ審査委員長から出場者へ送られた言葉
一次予選通過者発表の前にシュロモ・ミンツ審査委員長から出場者へすばらしいメッセージが送られました。
ミンツ氏の思いを出来るだけ伝えたいので、あまり省略せず書いてあります。
「一次予選は3人に2人が落ちてしまうステージであります。そういう事で、今日帰ってしまわれる方もみえるので、今日私はこの場に出させていただきました。
私は、演奏家として芸術に数字をつけるのは本当に難しい事だと感じております。今日つけた点数は審査員7人の平均です。時には評価が一致するものもあり、またもちろん一致しないものもたくさんありました。違った意見もたくさんあり、グレイエリアもたくさんあり、その中でグレイエリアがたくさんあるということで、すべてが思った通りの結果でない事もあります。
私にとって、音楽はビジネスではありません。昔もそうですし、今でもそうではありません。音楽は数字ではないと思っております。
しかし、現実の世界では残念ながらそうではありません。今日今から帰られる方にお伝えしたい事があります。それは、今日の結果は、今日のみと思ってください。明日皆さんが演奏する事になったとき今日と全く逆の結果が出るかもしれません。ですから、今日、今から発表する結果というのは、皆さんの昨日と今日の演奏のみを聴いた結果にすぎません。
次に、2次予選に行かれる方、残念ながら、今日帰られる方もみえるんですが、どちらの方々も引き続きこれから頑張って欲しいと願っております。2日間みなさんのすばらしい演奏を聴かせて下さったことに感謝します。
これからも、音楽に携わって、頑張って欲しいと思います。これは、われわれが、これからも生き続けていく上で非常に大切なことだと思います。」
通訳は南出氏
当初は結果発表を掲示のみの予定でした。しかし、
ミンツ氏は、いち演奏者として、この場に集まった若い人たちに、特に今日で帰ってしまう方たちに、いたわり、音楽に対する考え、コンクールの結果のとらえ方、これからも、音楽の道をしっかりと歩いていって欲しいという、熱いエールを出場者全員に送りたっかたのだと思います。
出場者でない自分もミンツ氏の今日の話には感動しました。
(スタッフ/の)