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ピアノでシンフォニーを


ブラームスの交響曲第1番と言えば、いかにもクラシックの王道という作品です。
なにしろベートーヴェンが第九を書き上げた後に、ブラームスが「第九のあとに畏れ多くも交響曲を書くなんて・・・」と20年来悶々と悩んだ末に世に出した作品ですから、傑作と言われて当然でしょう。


ところで、11月28日(金)宗次ホールでは通常フルオーケストラで演奏されるこの超名曲を、ピアノ一台で演奏してしまおうというコンサートが行われます。

こちら


ブラームスの生きていた当時というのは、ラジオもCDもありません。当然、「人気作曲家の新作の交響曲ができた→聴きたい!」と思い立ったら、それを聴きにホールに出かけなければならない。しかし、交通手段もそうそう整備されていない時代ですから、大都市を除いてオーケストラの演奏を聴ける機会なんてめったにないわけです。


そこで人々はサロンコンサートなどでピアノ連弾に編曲されたオーケストラ作品に親しんでいました。ピアノで弾かれた「ブラームスの交響曲第1番」しか聴いたことない人の方がきっと当時は大多数だったはずです。自分の作品を広めるために、作曲家も積極的にオーケストラの曲をピアノでも弾けるようにアレンジしていました。特にブラームスはピアニストとしても大変な才能がありましたから、今回用いるブラームス自身の編曲も、ピアノで弾いてもオーケストラと同様、あるいはオーケストラには出せないような魅力を放つものになっています。



作品が生まれた当時の人々がはじめて接した時のように、普段オーケストラで聴きなれた「ブラ1」を、もう一度聴き直してみる。さらにはピアノで演奏することによってオーケストラの演奏では聴きとりにくい副旋律などが浮き立って、ブラームスの完璧な仕事ぶりがより手に取るように理解できるというおもしろさもあります。いいメロディはオーケストラでもピアノでもやっぱりいいものだなぁ、と思っていただけることでしょう。あるいはオーケストラとの違いにおどろく場面もあるかもしれません。


ブラームスのピアノ連弾についてのCDが気になる方はこんなサイトもあります。



さて演奏は新進気鋭のピアノデュオ「ドゥオール」。


ピアノデュオ藤井隆史・白水芳枝10・17 003

↑2007年10月 ランチタイムコンサートに出演したときのスナップです。



昨年の出演後も反響は大きく、「まるで一人で弾いているようだ」という感想をいただいています。彼らの絶妙のアンサンブルはピアノ連弾を徹底的に、そして専門に(ドイツで「ピアノデュオ科」で学位を取得しているのですから当然です)学んだという来歴が証明しています。最近ではNHKBSの「ぴあのぴあ」にも出演されるなど活発に活動していらっしゃいます。


ピアノデュオ「ドゥオール」公式サイト


ピティナピアノ曲辞典
こちらのサイトで彼らの演奏が試聴できます!


藤井さんインダビュー記事
「ふれんどあさひ」さんにとりあげられました。


年末の週末、なにかと忙しい時間帯ですが、時間を割いて来ていただくだけの見返りがあるコンサートになると思います。オーケストラが好きな方もぜひたまには芸文のすぐそばの小さな宗次ホールへお越しください。心からお待ちしております。

詳細はこちら





                                                   (スタッフ/に)


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