3/3 島田真千子&北谷直樹 デュオリサイタル
島田真千子さんと北谷直樹さんによる「バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ全曲演奏会」。
6曲を弾き終えたときのお客様からの拍手のなんと温かく柔らかく心のこもっていたこと!
私も舞台袖にいてそう感じましたが、島田さんも同じことを思ったのだそう。
この舞台でバッハの無伴奏全曲演奏を成し遂げたときに次の目標として掲げたこのコンサート。
あれからわずか2年足らずで実行してしまいました。
共演者の北谷さんとのアンサンブルも昨年の2月に続いて2度目ということで、より微細に渡って作り込みがなされた印象。
実際に前日のリハーサルは、一音一音の音程を確認しながらという緻密なものでした。
北谷さんが演奏するチェンバロは全く緩慢に流れるところがなく、それでいて変幻自在。
スリリングなのに安全に設計されているジェットコースターのよう。
島田さんが醸し出す様々な音色の翳りと輝きとが一体になって、本当に6曲があっという間に終わってしまいました。
アンコールには「G線上のアリア」の愛称でも有名な、エアを演奏して終了。
この二人の演奏。今年は東京上野で行われる「東京・春・音楽祭」でも聴けますので、関東方面の方、ぜひぜひ足をお運びください。
ちなみに「4→5→休憩→6→1→休憩→2→3」の順にしたプログラムについて、なぜ番号順ではないのかというご質問を数名のお客様からいただきましたが、それは調性を考慮してのことです。
どの調でも“ほどほどに”合っているように聞こえる「平均律」ではなく、それぞれの調のもつ色合いをきちんと出してくれる調律法を採用したため、その設定を変更するために休憩を挟む必要があったのです。
時間的には休憩1回だけでもできた演奏会でしたが、二度の休憩をとり、その間に調律師さんはチェンバロの音程を変更する作業をしていました。
おそらくほとんどのお客様は気付かなかったと思いますが!
バロック音楽は奥が深いですね・・・。