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2017年7月 おすすめ公演情報 (3) 7/22 イリーナ・メジューエワ  ピアノ




今年3月にリリースしたCDが
「レコード芸術」誌 5月号で“特選盤”に選出!


我々に、新しい認識を切り開く可能性を与えてくれる。

それほどにも、充実した美しい音である

(平野篤司/成城大学教授)



イリーナ・メジューエワ  ピアノ
7月22日(土)
18:00開演
4,000円(学生2,400円)
[指定]

 




去年の宗次ホール公演ではショパンのノクターン全曲を丁寧に完奏し、
長く印象的な物語を紡いでくれたメジューエワさん。
今回は「ドイツ・ロマン主義」をテーマとした前半と、
純粋な「ピアニズム」を表現した後半とで、バラエティ豊かなプログラムです。
あまり演奏されることのないロシアの作曲家、ニコライ・メトネル(1880-1951)の作品も含まれていますが、
この“ロシアのショパン”と称される作曲家をメジューエワさんは以前より大変好きだったそうで、
彼の作品に取り組むことは正に彼女の“ライフワーク”だと仰います。
「メトネル作品一般について言うと、
彼の作品テーマはかなりシンプルなのですが、
展開の仕方が独特。
ひとつの素材を徹底的に展開させるという面は古典的というか、
ドイツ的ですね。
ベートーヴェンに近いかもしれません。」
シンプルな素材を使って巨大な建築を作り上げるといった趣は、
その独特の世界にはまってしまうと抜けだせなくなる魅力があると言います。

この日演奏されるメトネル「忘れられた調べ」からの“プリマヴェラ(春)”は
1920年の3月に作曲され、
ロシアの厳しい冬から突然雪が解け、
清々しいほどの春の到来と新しい芽吹きが表現されている、
非常に美しい曲です。
メトネルは、ロシアに訪れる春の到来の季節を心から愛していたそうで、
ハープのグリッサンドを思わせるような壮麗な響きや豊かな和音が印象的です。
生で聴く機会も少なく、
録音もあまり残されてはいませんが、
メジューエワさんはこのメトネルの作品をCD収録されており、
大変高い評価を得ていらっしゃいます。
ところでメジューエワさんが「影響を受けたピアニストは?」という質問に対して
20世紀最大のピアニスト、リヒテルを挙げていらっしゃいますが、
その理由について「ここ数十年流行っているスマートな耳に心地よい演奏とは大分違って、
もっとゴツゴツしたものがありますよね。
そういう意味では、私自身リヒテルのように弾きたいという願いを強く持っています。
演奏スタイルが古いとか新しいとかに関しては、あまり意味がないんじゃないでしょうか。
音楽的かどうかが最重要だと思います」
述べていらっしゃいます。
そして「私自身独特の世界を持つ演奏家ではありたいと思っていますが、
とてもとてもこういう巨匠に迫ろうなんて恐れ多くて…」と付け加える、
とても謙虚なメジューエワさんです。
「過去の巨匠達の演奏には様式の概念云々を超えた力があります。
彼らの魅力的な個性を私は尊敬しています。
真似なんてとても不可能。ただ私自身は、
作品の様式については尊重しなければならないといつも思っています。
そうせずして、自分の理想とする感動的な演奏にはならないと思っているからです。
作品の様式を踏まえながら個性的な演奏ができれば一番。
そういう意味では、やるべき勉強があまりにたくさんあって、
それこそ一生勉強を続けないといけません。」
 
年々進化を続けるメジューエワさんが思いを込めて選んだ作品の数々、
どうぞ生で聴いてください!



メジューエワ(表)
メジューエワ(裏)


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